中国政府は10日、フィリピンと領有権を巡って争う南シナ海のスカボロー礁(中国名・黄岩島)の「領海基線」を発表した。フィリピン政府が8日に南シナ海での自国の権利が及ぶ範囲を明確化する海域法を制定したことへの対抗措置。
国連海洋法条約では、基線から12カイリ(約22キロ)以内の範囲で領海を設定できると定められている。中国外務省の報道官は10日、フィリピンの海域法について「中国の領有権や海洋権益を著しく侵害した」と非難する談話を発表した。
スカボロー礁はフィリピンの排他的経済水域(EEZ)圏内にあるが、2012年から中国が実効支配している。南シナ海を巡る中国の権益主張を否定した16年のオランダ・ハーグ仲裁裁判所の判決は、フィリピンが有するスカボロー礁周辺での漁業権を中国が侵害していると認定していた。【北京・河津啓介】
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。