次世代半導体の量産を目指すラピダスに対し、NECの森田隆之社長は毎日新聞などの取材に「半導体ユーザーとして支援の意味で(2022年に)出資に応じた。その立場は変わっていない」と述べ、計画の実現に期待感を示した。
先端半導体を巡っては受託生産の世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)が先行しているが、森田社長は「サプライチェーン(供給網)の面でリスクがある」と指摘。「日本の中で、ラピダスのように少量多品種の半導体が設計、サポートを含めて実現されることは非常にウエルカムだ」と述べた。
ラピダスはNECなど国内大手8社が出資して、22年に設立された。先端半導体の量産には5兆円が必要とされ、政府はこれまで9200億円の支援を決めた。
ラピダスの要請に対し、NECやトヨタ自動車、ソニーグループなどが追加で出資する方針が明らかになっている。
普及が進む生成AI(人工知能)については、大量の情報処理で、データセンターが膨大な電力を必要とする点に触れ「何らかの施策がないと国際的競争という観点でも不利になる可能性がある。ぜひ政府で検討いただきたい」と述べた。
拡大を目指す防衛事業について「(NECが保有する)サイバーセキュリティー、宇宙などの技術領域は、国際的な『交渉力』という意味で大切。世界をリードする技術を確保することは自国を守る意味でも重要で、国際的な平和にも貢献できる」と強調した。【安藤龍朗】
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