米国のホワイトハウスで演説するバイデン大統領=ワシントンで2024年11月7日、秋山信一撮影

 バイデン米大統領(民主党)は7日、ホワイトハウスで、5日投開票された大統領選の結果を受けて演説した。「誰に投票したかに関係なく、互いを敵として見るのではなく、仲間の国民だと思い、(対立の)熱を下げよう。我々にはそれができる」と訴え、党派対立による緊張の緩和を呼びかけた。

 大統領選では、共和党のトランプ前大統領が民主党のハリス副大統領を破って返り咲きを決めた。バイデン氏は「構想を競い合い、米国は選択をした。我々はその選択を受け入れる。勝った時だけ国家を愛するとか、意見が合う時だけ隣人を愛するというのは違うのだ」と述べた。

 また、6日にトランプ氏に電話した際、「平和的で秩序ある政権移行のため、政権全体にトランプ氏のチームと協力するよう指示する」と約束したと説明。米メディアによると、バイデン氏は近くホワイトハウスでトランプ氏と会談する予定だ。

 一方、自身が選挙戦撤退後、後継に推したハリス氏については「すべてをささげた選挙運動を誇りに思うべきだ」とたたえた。

 バイデン氏は再選を目指したが、6月のトランプ氏との討論会での言動から、高齢による心身の衰えへの懸念が再燃。党内の圧力に屈する形で7月下旬に撤退を決めた。

 米メディアによると、今回の敗北を受けて民主党内からは「バイデン氏はもっと早く身を引くべきだった」との批判も出ている。ただ、党候補争いの際に有力な対抗馬が尻込みした結果、バイデン氏が順当に候補となった経緯がある。【ワシントン秋山信一】

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