「アメリカ・ファースト」を公言するトランプ氏が当選を確実にした今回の大統領選挙。SNS上では、各国からのメッセージが相次ぎました。
■各国トップが祝意 中国は警戒
この記事の写真 フランス マクロン大統領 「おめでとうございます。以前の4年間のように協力する準備はできています」 イスラエル ネタニヤフ首相 「歴史的に最も偉大な返り咲きだ。アメリカの新たな始まりとなる」手放しで喜んだのは、パレスチナ自治区ガザや、レバノンでの戦争を続けているイスラエルです。
トランプ氏は、前回の任期で、それまでの政策を転換して、極端な“親イスラエル政策”を実行しただけに、イスラエル側は歓迎ムードです。
トランプタワーの前には、イスラエル国旗を掲げて喜ぶ人々が集結しました。
一方で、イスラエルから攻撃を受けているレバノン市民の想いは複雑です。
レバノン市民 「戦争が終わるよう神に祈るだけです。頼れるのは、他国でもアメリカでもなく、神だけです」警戒を強めている国もあります。
中国外務省 毛寧副報道局長 「大統領選挙は、アメリカの内政であり、我々はアメリカ国民の選択を尊重する」“ディール=取引”を好むトランプ氏は、今回の選挙戦でも対中関税の引き上げを主張。通商協議に持ち込むものとみられています。
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■トランプ氏勝利で日本にも影響■トランプ氏勝利で日本にも影響
トランプ氏が掲げる対中貿易の関税引き上げには、インフレ再燃のリスクも伴うことから、アメリカ長期金利が急伸。これを受け、円安・ドル高が加速。日経平均株価は、5日より1000円以上、値上がりし、3万9000円台を回復して、取引を終えています。
2016年には、安倍総理が、就任前のトランプ氏といち早く会談し、関係を築きましたが、石破総理はどのような戦略を描くのでしょうか。
石破総理 「トランプ氏の勝利宣言を聞きました。トランプ氏の勝利に心からのお祝いを申し上げ、合衆国国民の民主主義の選択にも敬意を表したい。今後、トランプ氏と接点を早急にもつべく努力をしてまいりたい」国際会議に出席するために外遊に旅立つ石破総理。帰り道にアメリカに立ち寄り、面会することも模索しています。
“トランプ流”は国際情勢を一変させる可能性もあります。
「ウクライナ戦争をすぐに終わらせる」と主張してきたトランプ氏。ウクライナへの支援継続には消極的で、ロシアのプーチン大統領との停戦交渉を即座に行うとしています。
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■ゼレンスキー氏「共に和平実行を」■ゼレンスキー氏「共に和平実行を」
ウクライナ国内でも、最大の支援国のリーダー選びに関心が集まりました。
ゼレンスキー大統領は、さっそく支援継続を要請しました。
ウクライナ ゼレンスキー大統領 「素晴らしい勝利、おめでとう。共に和平を実行に移すことを期待する」 キーウ市民 「私たちが待っているのは、戦争が止まることです。トランプは戦争を一日で終わらせると公約しました。私たちはそれを待っています」対するロシア。
ロシア ペスコフ報道官 「アメリカとの関係は、歴史的に最低の状態にある。この先どうなるかは、アメリカの次の大統領次第だ。就任する1月を待とう」 モスクワ市民 「(Q.ロシアにとってトランプ当選は)非常に良いことだと思います。(Q.すぐに戦争を終結できると言っているが)やってみてほしいです」次のページは
■トランプ氏勝利で外交は?■トランプ氏勝利で外交は?
今後のアメリカの外交はどう進んでいくのでしょうか。まずはトランプ氏が1期目に進めた外交政策を整理します。
就任直後の2017年、日米が主導していたアジア・太平洋地域の自由貿易協定である『TPP=環太平洋経済連携協定』から離脱。理由は「アメリカの製造業に打撃を与える」というものでした。
同じ年の12月には、パレスチナを無視してエルサレムをイスラエルの“首都”と承認し、翌年、アメリカ大使館をエルサレムに移転させました。これにはパレスチナ自治政府が強く反発しました。
2018年には、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長と史上初の米朝首脳会談を行いました。翌年には2回目の会談に臨み、物別れに終わりました。
(Q.1期目に人々を驚かす外交政策を取ったトランプ氏ですが、2期目に意外な一手は考えられますか)
上智大学 前嶋和弘教授 「ウクライナ・中東は今、袋小路なので、これを何とか打開するのはトランプ氏だという期待はありますよね。ウクライナの場合は、武器の供与などをアメリカがやめることを匂わすことで諦めさせる。これもトランプ流のディール(取引)にみえます。イスラエルの方は、イスラエルを応援することで終わらせていくかもしれません。安全保障の同盟国にとって、ディールは困るわけです。ディールではなく理念なんだと。例えば、国際秩序を守らないといけない、中国が台湾に武力侵攻したらとんでもない、だからアメリカが武力介入するんだというのは、日本にとっては分かりやすい同盟国としての動きですが、トランプ氏は『台湾はアメリカの半導体を盗んで大きくなっている。何でアメリカに助けてくれと言うのか。自分たちで防衛しろ』と発言しています。その向こうには、アメリカの武器・防衛装備品を買ってくれというアメリカ・ファースト的な取引です。同じやり方で日本にも来ることも考えられます」(Q.アメリカ大統領の任期は2期8年に制限されていて、トランプ氏にとって次の4年間が最後の任期になります。どんなアメリカをつくっていくと思いますか)
上智大学 前嶋和弘教授 「最初の4年間で動きがだんだん分かってきて、今は政権に入りたい人たちがトランプ氏の周りにはたくさんいます。トランプ氏は『ワシントンのディープステートを一掃する』としていて、今の官僚組織を変えていくかもしれません。上院はすでに抑えているので、ワシントンの人がかなり変わっていく可能性はあります。これがプラスかマイナスかは何とも言えないところですが」(Q.トランプ氏のストッパー役になる人は見当たらないですか)
上智大学 前嶋和弘教授 「トランプ氏にたてつく人たちは1期目に離れていって、今回はハリス氏を応援した人もいます。トランプ氏に忠誠を誓う人というのが、人を選ぶ時の最初の条件でしょうね」(C)CABLE NEWS NETWORK 2024
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