ロシアのプーチン大統領は5日、大統領府で新任の外国大使から信任状を受け取る奉呈式を開き、昨年12月に着任した武藤顕駐ロシア大使らが参加した。プーチン氏は式典の演説で、ウクライナでの「特別軍事作戦」を巡り「非友好国」に指定した国々の新任大使に対し、「ロシアは互恵協力の論理に忠実であり、対立を目指してはいない」と訴えた。
奉呈式には28カ国の新任大使が出席した。プーチン氏は演説で、そのうち日本やカナダ、イタリアなど12カ国の「非友好国」を列挙し、各国との2国間の接触が最小限にとどまり、重要な問題に関する協力が凍結されていると言及。その上で「ロシアとの協力について、理性的で客観的な見方が再び優勢になると信じたい」と述べた。
一方で、特別軍事作戦については「ウクライナでの紛争をエスカレートさせ、我が国に戦略的敗北をもたらそうとする西側諸国の敵対路線は大きな誤りだ」と主張した。
在ロシア日本大使館は5日、奉呈式を受け「日露間には懸案事項もあり、隣国であるロシア側との意思疎通も必要だ」とした上で、「ウクライナ問題についての原則的立場を維持しながら、日本側の考え方を伝える一方で、ロシアに対してしっかりと関与していく」との立場を表明した。【モスクワ山衛守剛】
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