アメリカ大統領選挙の投票が、日本時間5日午後8時から各州で順次始まりました。
■“最後の訴え”選んだ場所は
ハリス氏が最後の演説の場に選んだのは“激戦州”ペンシルベニア州です。
この記事の写真フィナーレに選んだのが、最大都市・フィラデルフィア。ハリス氏は、この日だけで、ペンシルベニア州5カ所を回りました。
フィラデルフィアで開催されたハリス氏の集会に登場したのは、前日に支持を正式に表明したばかりの歌手のレディー・ガガさん。選挙最終盤であえて支持を表明するのも、最後のインパクトを狙った演出とみられます。
レディー・ガガさん 「すべてのアメリカ国民のための大統領になる人に投票します。ペンシルべニアの皆さん、あなたの番ですよ」盛り上がりが最高潮のなか登場したハリス氏。
民主党・ハリス候補 「フィラデルフィアのみなさん、 準備はいいですか?投票の用意はできてますか?勝つ準備はできていますか?」次のページは
■デッドヒートの接戦州で演説■デッドヒートの接戦州で演説
会場となったフィラデルフィア美術館の階段前の広場。この場所を選らんだことにも狙いがあります。
映画『ロッキー』で、厳しいトレーニングを終えたロッキーが最後にかけあがる階段。“勝利への決意”を象徴するこの場所で、選挙戦を締めくくることにしたのです。
民主党・ハリス候補 「あの“階段”が 勝利へと駆け登る、挑戦者をたたえています。アメリカの命運が決まります。あと一日、人生で最も重要な選挙です。勢いは、いま、こちらにあります」対するトランプ氏は、最終日、ペンシルベニアの2カ所で集会は行ったものの、最後の訴えに選んだのはミシガン州です。すでに、日付が変わっていました。
共和党・トランプ候補 「この選挙で一票を投じれば、この国が民主党のものではなく、みなさんのものであることをはっきりと示すことができる。ミシガンで勝てば、大統領選の勝利は間違いない」ミシガン州は、1カ月前からトランプ氏がリードしていましたが、ラスト1週間でハリス氏がわずかながら逆転しています。
トランプ氏が暗殺されかけた銃撃事件のあと、最初に集会を行った場所で、フィナーレを飾りました。
どちらが勝利するのか、現段階ではまったく予想できず、ふたを開けてみるまでわかりません。
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■電子投票で“時間短縮”も…■電子投票で“時間短縮”も…
州によって集計にかかる時間もさまざまで、結果が出るまでに数日を要する可能性も指摘されています。
選挙で選ぶのは大統領だけでなく、連邦議会の議員や州の司法長官、財務官など数項目にわたります。
ペンシルベニア州では投票マシーンが用意されています。紙による投票ではなく、タッチパネルにすることで、投票時間を大幅に短縮。データで管理されるため、集計時間も短縮されます。
選挙管理委員 「(Q.投票結果にどんな影響が)結果を早く出せます。この投票機なら投票日の夜に結果が出ます。フィラデルフィアでは4年前よりも早く票を集計できます」前回の大統領選では、ペンシルベニア州の結果が出るまで、4日かかりました。
トランプ氏は、もし激戦州で負ければ、不正選挙だと言い出しかねません。このタッチパネル式の投票機は、過去に集計間違いなどの不具合が発生したことがあるそうです。たとえ今は改善しているといっても、問題視してくる可能性は否定できません。
その際、一部の支持者が、どういう行動に出るかはわかりません。市民たちは厳重警戒を敷いています。
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■“史上初の接戦”勢いどちらに■“史上初の接戦”勢いどちらに
◆歴史的な接戦となっている大統領選挙。
最終盤の情勢をどう見たらいいのか。アメリカ政治に詳しい上智大学の前嶋和弘教授に聞きました。
前嶋教授は「最近の情勢を見ると、一見、勢いが激しく入れ替わっているようにようにも見えるが、実際には五分五分。最終盤になり双方が『トランプが来るぞ』『ハリスが来るぞ』と、危機感をあおって、自らの支持者を鼓舞し、投票を促す。これだけ接戦の選挙戦は史上初」といいます。
(Q.現地で1週間取材した大越さんは、直近の勢いや変化をどう感じましたか)
大越キャスター 「どっちに勢いがあるか、判断はつきません。両陣営とも、必死でした。ちなみに8年前、トランプ氏が、事前の世論調査を大きく越える投票数を叩きだし、勝利をしたときは、世論調査に表れにくい“隠れトランプ”という人たちがいたといわれています。トランプ支持を表明しづらい空気があった。今回は、取材実感としてもそんなことはなく、堂々と「トランプ支持です」と。接戦の数字というのは、実態に近いのだと思います。選挙の最終盤、両候補の家族が総出で、それぞれの激戦地に散って支持を訴える。まさに必死の選挙戦でした」大勢判明までには時間がかかりそうです。勝敗の行方を左右するとされるペンシルベニア州では、開票作業に時間がかかる郵便投票が約178万票あるといいます。サインを照合する作業などもあり、手間がかかるそうです。
前嶋教授は「4年前は、事前の世論調査でバイデン氏が明らかにリードしていたが、大勢判明まで4日間かかった。大接戦の今回は、前回並みか、それ以上かかる可能性もある」としています。
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