米大統領選(11月5日投開票)の共和党候補、トランプ前大統領は10月31日、西部ニューメキシコ州で選挙集会を開いた。同州に多い中南米系の有権者にアピールする狙いがあるが、投票日直前に激戦州以外を訪問する効果を疑問視する見方もある。トランプ氏は11月2日にも劣勢の南部バージニア州で集会を開く予定で、米メディアも「余裕か、慢心か」と評価しかねている。
「ここに来た理由は一つだ。誰からも『ここには来るな。ニューメキシコでは勝てない』と言われた。でも私は『(前回)選挙は盗まれたのだ。ニューメキシコは勝てる』と言った」。トランプ氏は31日の集会の冒頭、こう強調した。公正に選挙が行われれば、民主党の牙城である西部カリフォルニア州でも「勝てる」と豪語した。
隣接するアリゾナ州は激戦7州の一つだが、ニューメキシコ州は2004年を最後に共和党候補が勝っておらず、今回も民主党候補のハリス副大統領が優勢だ。トランプ氏は11月2日にも激戦州のノースカロライナ州に隣接する南部バージニア州で集会を開く。
一方、ハリス氏は10月29日に首都ワシントンで大規模な集会を開いた後、激戦州に的を絞って集会を重ねる方針だ。
トランプ氏があえて劣勢の州を訪問する背景について、AP通信は「期日前投票で共和党の出足が好調なことでトランプ陣営が自信を深めている」と伝えた。一方、大統領選と同時に行われる連邦議会選で、共和党候補を側面支援する狙いがあるとの見方もある。【ワシントン秋山信一】
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