イスラエルの防空システムから発射される迎撃弾=イスラエル北部で2024年10月31日、ロイター

 イスラエル北部メトゥラとハイファ近郊で31日、レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラによるロケット弾攻撃が相次ぎ、イスラエルメディアによると、住民ら少なくとも7人が死亡した。ヒズボラによる民間人への攻撃では、過去数カ月で最悪規模の被害だと報じられている。交戦が始まった昨年10月以降、イスラエル北部で死亡した民間人は41人となった。

 報道によると、メトゥラではタイ人の農業労働者4人とイスラエル人1人が死亡したほか、1人が重傷を負った。ハイファ近郊ではオリーブ畑に着弾し、親子が死亡した。イスラエルは中東最強とされる防空システムを擁しているが、迎撃に失敗したとみられる。

 一方、レバノン各地でもイスラエル軍の空爆や地上戦が続き、ロイター通信によると、31日夜までの24時間で少なくとも45人が死亡した。昨年10月以降のレバノンでの死者数は2865人となった。

 こうした中、イスラエルのネタニヤフ首相は31日、米政府の特使を務めるホックスティーン氏らと会談した。米国はレバノンでの60日間の停戦案を提示しているとされ、詳細を協議したとみられる。

 イスラエル首相府によると、ネタニヤフ氏は「重要なのは紙の上での合意ではなく、イスラエルの能力により合意を履行させ、レバノンからの脅威を阻止して(避難生活を送る北部の)住民の帰還を実現させることだ」と伝えた。イスラエルメディアでは、数日以内内に停戦が実現する可能があると報じられている。【カイロ金子淳】

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。