接戦が続いているアメリカ大統領選挙まであと1週間です。民主党のハリス副大統領と共和党のトランプ前大統領はそれぞれ、大規模集会で「最後の訴え」に臨んでいます。

記者
「ハリス副大統領の集会会場です。会場からは『カマラ』コールの大合唱です」

選挙戦終盤になって、激戦州の支持率でトランプ氏に遅れをとっているハリス氏。投票まで1週間のこの日、ハリス氏がこの会場を選んだのには訳がありました。

民主党 ハリス副大統領
「彼(トランプ氏)はおよそ4年前にこの場所に立ち、武装した暴徒を議会にけしかけ、選挙で示された民意を覆そうとしました」

実は前回の大統領選後、トランプ氏が敗北を認めないと演説し、支持者による議会乱入事件に繋がった場所です。

乱入事件をめぐる受刑者への恩赦を主張するトランプ氏に対し、「国民の暮らしよりも、復讐と権力を追い求めている」と批判しました。そして、「トランプ氏と違って、考えが異なる人を敵とはみなさない」と強調するなど、トランプ氏への攻撃を強めています。

さらに…。

歌手 ビヨンセさん
「新しい歌を歌う時です」

歌手のビヨンセさんやラッパーのエミネムさんなど豪華セレブたちが続々登場。失った勢いを取り戻そうと、必死の戦いを進めています。

一方、優勢のはずのトランプ氏には新たな懸念が…。

記者
「激戦州のペンシルベニア州です。トランプ前大統領の集会が始まるまで、まだ8時間ほどあるのですが、すでに多くの人が列を作っています」

トランプ支持者
「けさ3時半にここに来たよ」

激戦州で優勢となっているトランプ氏ですが、先週の移民問題をめぐる発言が波紋を広げています。

共和党 トランプ前大統領
「我々はごみ捨て場だ。世界のごみ箱のようなものだ」

不法移民をごみになぞらえたのです。登壇したコメディアンも…

コメディアン トニー・ヒンチクリフ氏
「海の真ん中にごみの島がある。名前はプエルトリコだったかな」

カリブ海の自治領・プエルトリコを「ごみの島」と表現し、強い批判を招いています。

プエルトリコ系の男性
「(ごみ箱)発言まではトランプを支持していたが、カマラ(ハリス氏)を支持せざるを得ない」

激戦州・ペンシルベニアに47万人あまり住んでいるプエルトリコ系の人々の支持が離れる可能性も指摘されています。

共和党 トランプ前大統領
「私はどの大統領よりもプエルトリコのために尽くしてきた」

29日も、トランプ氏は火消しに躍起になっていますが、終盤に来ての問題発言は、選挙結果に大きな影響を与える可能性があります。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。