フィリピンで容疑者の殺害も辞さない強硬な違法薬物の取り締まりを行ったドゥテルテ前大統領が議会の公聴会に出席し、「やるべきことを実行しただけだ」と自らの正当性を強調しました。
フィリピンのドゥテルテ前大統領は在任中、「麻薬戦争」と呼ばれる強硬な違法薬物対策を推し進め、警察官が容疑者を殺害することも辞さない厳しい取り締まりにより、6000人以上が死亡したとされています。
しかし、一部の人権団体は、十分な証拠もないまま数万人が殺害されたおそれがあるとも主張していて、ICC=国際刑事裁判所が“人道に対する罪”で捜査を始めるなど、国際的な非難を浴びていました。
フィリピン ドゥテルテ前大統領
「警察にはこう指示をした。『殺されると思ったら撃て。頭を撃て、殺せ』と」
28日、取り締まり中の容疑者殺害について調べる議会の公聴会に出席したドゥテルテ前大統領はこう述べたうえで、「謝罪はしない」「国のために自分がやるべきことを実行しただけだ」と自らの正当性を強調しました。
一方、取り締まりに当たった警察官については、「指示に従っただけで責任を負うのは私だ」としています。
ドゥテルテ前大統領をめぐっては、現地メディアがICCが年内に逮捕状を出す可能性があるとも報じていて、今後の責任追及の行方が注目されます。
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