台風による強風と大雨が被害を拡大させています。

 フィリピン・ルソン島の北部。山あいを走る道路に轟音(ごうおん)が響き渡ります。

 音の正体は土石流。土砂を含んだ大量の水が斜面を流れ落ち、道路をのみ込んだのでした。

 フィリピンの北部を通過し、甚大な被害をもたらした台風20号。被災者は570万人に上っています。

地元住民
「私たちには何も残っていない。帰る家もない。急いで逃げなければならなかったので、携帯電話さえ持ち出せなかった。すべて家の中に残したまま」

 犠牲者は、これまでに少なくとも116人。

 ルソン島中部の町では土砂崩れが発生し、住宅12軒が被害に。妻と5人の子どもを一度に失った男性は…。

妻と子ども5人が犠牲になった男性
「出掛ける時、私は家族に『落雷や滑りやすい道路など危険に遭わないように家の中でただ寝ているんだよ』と言った」

 何の予兆もなく起きたという土砂崩れ。現在も救助活動が続いています。

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