アメリカ大統領選挙まで2週間となりました。勝敗の鍵を握る激戦州でハリス氏がアラブ系有権者の支持獲得に苦戦する状況が続いています。

 12万人以上のアラブ系アメリカ人が暮らす東部ペンシルベニア州は、今回の大統領選挙の勝敗を左右する最大の激戦州です。

 前回の大統領選ではわずか8万票余りの差でバイデン氏が制した激戦の州で、今、ハリス氏の支持が伸び悩んでいます。

 最大の要因は混乱が続く中東情勢です。

アラブ系有権者
「今は第三の選択肢を考えているところですが、まだ分かりません。多くのイスラム教徒が民主党への投票を見直しているように感じます」
「私たちはジェノサイド(虐殺)に反対する候補を応援しなければなりません。ハリス氏はアラブ系やイスラム教徒のコミュニティで完全に信頼を失っています」

 アラブ系の有権者は、バイデン政権で副大統領を務めるハリス氏も「イスラエル寄り」でガザ地区などでの「虐殺に加担している」と不信感を強めています。

 ペンシルベニア州フィラデルフィアでアラブ系有権者のために活動するマルワーン・クレイディ氏は、ハリス氏が信頼を回復するためにはイスラエルへの武器輸出の停止など「断固とした措置を打ち出すべきだ」と訴えています。

アラブ系有権者(ハリス氏に投票予定)
「ハリス氏が武器輸出の制限や停戦などに踏み込まない限り、情勢は非常に厳しいでしょう。今こそ、もっと強硬な姿勢を示すべきです」

 アラブ系有権者が対象の最新の世論調査では、ハリス政権(23%)よりもトランプ政権(46%)で、「アラブ系アメリカ人への人種差別や憎悪犯罪が増える」と考える人が多いにもかかわらず、トランプ氏(45%)がハリス氏(43%)を2ポイントリードしています。

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