英与党の中道左派・労働党のスタッフ約100人が、米大統領選で民主党候補のハリス副大統領陣営を支援するために米国入りする計画が明らかになり、波紋を広げている。共和党候補のトランプ前大統領陣営は反発しており、トランプ氏が勝利した場合は「英国の最重要同盟国との関係を損なう」(英紙デーリー・テレグラフ)との懸念も出ている。
「これは違法だ」。トランプ氏を支援する米実業家イーロン・マスク氏は10月中旬、X(ツイッター)にそう記した。ただ、英紙タイムズによると、外国籍のボランティアが選挙運動を手伝うことは、無報酬であれば米国の法律で認められているという。
労働党スタッフは11月5日の投開票を前に、南部ノースカロライナ、バージニア、西部ネバダ、東部ペンシルベニアの4州に入り、選挙運動をサポートするという。党の指示ではなく、個人が自費で参加する形を取る。
報道によると、トランプ前政権のゴルカ元大統領副補佐官は「暴挙であり、米政治への介入だ」と今回の動きを批判した。
労働党のスターマー首相は7月の政権発足以降、「友党」の民主党に限らず、共和党とのパイプ作りにも努めてきた。9月の国連総会期間中にはトランプ氏とも夕食を共にしており、「大統領選の結果にかかわらず、英米の特別な関係は変わらない」と伝えた。トランプ氏はスターマー氏について「素晴らしい人物だ」と述べたという。【ロンドン篠田航一】
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