英国のウッドワード国連大使は21日、北朝鮮がロシアのウクライナ侵攻を支援するため「派兵に同意した可能性が高い」と述べ、深い懸念を示した。ウクライナ情勢を協議する国連安全保障理事会の公開会合で語った。
ウッドワード氏は、プーチン露大統領が自国で「消耗品扱い」の兵士集めに苦戦しているとし、「違法な戦争で北朝鮮に頼ることをいとわなくなっている」と発言。韓国の黄浚局(ファンジュングク)国連大使は「北朝鮮はロシアから手厚い見返りを期待するだろう」と述べ、ロシアが核関連技術を提供する可能性もあると危惧した。
一方、米国のウッド国連次席大使は北朝鮮のウクライナ派兵が「もし事実であれば」と前置きした上で、「危険で非常に懸念される展開だ」と警告した。
ウクライナのゼレンスキー大統領は20日、北朝鮮がロシアに派兵する「明確な証拠」があると指摘。韓国の国家情報院も北朝鮮が既に特殊部隊の隊員約1500人を極東ロシアの基地に派遣しており、訓練を受けてウクライナの戦闘に投入する可能性が高いとの見方を示す。
ロシア大統領府のペスコフ報道官は21日、「北朝鮮との協力は他国を敵視するものではない」などと説明する一方、詳しい言及を避けている。【ニューヨーク八田浩輔】
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