米大統領選の投開票日である11月5日まで、20日を切った。ハリス副大統領とトランプ前大統領の選挙戦攻防は、双方が譲らぬ拮抗状態が継続する。米政治ニュースサイト「リアル・クリア・ポリティクス」がまとめた10月19日時点の世論調査平均値によると、両候補の支持率は、ハリス氏が49.3%、トランプ氏は48.1%と、ハリス氏が1.2ポイントのリードを保ち、接戦の様相を呈している。一方、激戦州の1つ南部ジョージア州では15日、期日前投票が始まった。前回2020年に実施された期日前投票は、初日の投票数が約13万6000人だったが、今回は、31万3352人と、大幅に記録を塗り替えた。同じく激戦州の南東部ノースカロライナ州でも、期日前投票が17日から始まり、初日の投票数が35万3166人に上った。2つの州で共に、初日の投票数が過去最多を記録した。
一方、米大統領選における勝者を予測するサイト「ポリー・マーケット」によると、最新の数値は「トランプ氏」と予測する人が59.3%、「ハリス氏」が40.1%と、現時点で、トランプ氏が選挙で勝利する確率が高いとされる。米ABCニュース主催によるテレビ討論会翌日の9月11日時点では、激戦7州の支持率において、ハリス氏とトランプ氏がそれぞれ3州ずつリードし、選挙人が一番多いペンシルベニアは0ポイント差と、3勝3敗1引き分けとなり、互角の状況を示した。しかし、現在の支持率は、トランプ氏が激戦7州全てでリードしている。この状況を踏まえ、仮に、選挙人獲得数を算出すると、ハリス氏の226人に対し、トランプ氏は312人で、過半数を超えることになる。
ハリス氏陣営は、黒人男性に照準を絞り、選挙戦の更なる強化を図る。オバマ元大統領は、ハリス陣営の事務所を訪問した際に、「私が立候補した時のような活気や動員が見られない。ブラザー(黒人男性)の間でより顕著だ。あなた方は、女性が大統領になるという考えに共感せず、棄権や他の選択肢を考えているのか」と、黒人男性の支持伸び悩みに懸念を示した。大統領選が最終盤を迎える中、ハリス氏は、黒人男性からの支持の伸び悩みに課題を抱えている。ハリス氏は黒人男性に照準を定めた支援策を急きょ発表した。ハリス氏は14日、黒人男性有権者に向けた新たな政策を発表した。黒人の起業家に最大2万ドル(約300万円)の返済免除を含む100万件の融資を提供、また、嗜好用マリファナを合法化し、黒人男性に対するビジネス機会の創出などが含まれている。米紙ニューヨーク・タイムズが10月12日公表した世論調査によると、黒人男性のハリス氏への支持率は70%で、トランプ氏20%と、50ポイントの差がついているものの、前回バイデン氏へ投票した率(85%)と比べると見劣りする。
★ゲスト:杉田弘毅(ジャーナリスト)、峯村健司(キヤノングローバル戦略研究所主任研究員)
★アンカー:末延吉正(ジャーナリスト/元テレビ朝日政治部長)
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