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<チェチェン共和国があるカフカス地方では分離主義者やイスラム原理主義者による暴力が後を絶たず、ロシア各地ではウクライナによるドローン攻撃も発生>

ロシアの独立系メディア「アストラ」によれば、ロシア連邦を構成するチェチェン共和国の首都グロズヌイにあるガソリンスタンドで10月12日に爆発があった。大規模な爆発が発生した原因は明らかになっていないが、その瞬間はさまざまな角度から動画に収められており、SNSで大きな注目を集めている。

■【動画】ロシアの都市中心部で起きた「巨大爆発」の瞬間を撮影...ドローン攻撃が続くなか、周辺では情勢が不安定に

ソーシャルメディアに投稿された動画には、大爆発を起こしたガソリンスタンドから激しく炎が上がり、周辺地域にがれきが飛び散る様子が映っている。本誌はこの動画の信ぴょう性について独自に確認することができていない。

チェチェンは1990年代から2000年代にチェチェンの独立を求める分離主義者とイスラム原理主義者が関与した2度の紛争を経て、現在はロシア政府が首長に任命した親ロシア派の強硬派ラムザン・カディロフが事実上支配している。ここ数カ月、ウクライナ軍のドローンが繰り返しロシアのインフラ施設や軍関連施設を攻撃しているが、12日の爆発の原因は分かっていない。

ウクライナの通信社「RBCウクライナ」は、爆発したガソリンスタンドは大学の近くに位置していたと報道。親ロシアのテレグラムチャンネルを引用し、少なくとも4人が負傷したと伝えた。負傷者には、爆発で飛び散った破片で怪我をした母親と子どもも含まれていた。

ロシア非常事態省はその後、爆発によって子供2人を含む4人が死亡したと発表したが、爆発の原因は明らかにしていない。本誌はこの件についてロシア外務省にメールでコメントを求めたが、返答はなかった。

カディロフは暗殺の標的になったとして「血の復讐」誓う

イスラム教徒が多いチェチェンを含むロシア南部の不安定なカフカス地方では緊張が高まっており、カディロフは今週、同地方にあるダゲスタンとイングーシ出身のロシアの議員3人が自分の暗殺を企てたとして、彼らに「血の復讐」を宣言。ベクハン・バラホエフ下院議員とリスバン・クルバノフ下院議員、スレイマン・ケリモフ上院議員が暗殺計画に関与していないことを証明できなければ「血の復讐」を開始すると述べた。

9月にはロシア最大のオンライン小売業者「ワイルドベリーズ」のモスクワ事務所で経営方針をめぐる争いによる発砲事件があり、警備員2人が死亡した。この争いには、カディロフに忠誠を誓う者たちと、彼が血の復讐を宣言しているロシアの政治家たちが関与していると報じられている。

カディロフはこの事件に自分が関与しているという主張について、「創業者夫婦の争いを民族全体の争いに発展させようとする」試みだと述べている。

ロシアは西部クルスクに5万人の増援部隊を派遣か

ロシアのタス通信によれば、11日にはチェチェンに隣接するイングーシ共和国で地元の治安当局者を乗せた車が銃撃を受け、3人が死亡した。カフカス地方はイスラム原理主義者や分離主義者、犯罪組織による暴力に悩まされ続けている。

また12日には親ロシア派の複数の軍事ブロガーが、ロシア軍機(うち一人がスホーイSu34戦闘機と特定)がウクライナ軍によって撃墜されたと報告した。この情報が正しいかどうかについて、独立した検証は行われていない。

ウクライナ軍総司令官のオレクサンドル・シルスキーによれば、この数週間でロシア軍は現在進行中のウクライナによる越境攻撃に対する増援部隊として、5万人の兵士をロシア西部のクルスク州に移動させたという。

ウクライナ軍は8月にクルスク州への越境攻撃を開始して数多くの町や村を制圧したが、ロシア軍が増援部隊を派遣したことで現時点では前線は比較的安定した状況となっている。


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