中国・深セン市で日本人学校の男子児童が登校中に襲われ死亡した事件からきょうで1か月です。警備は大幅に強化された一方で、現地の日本人からは複雑な思いも聞かれました。
先月18日、中国南部の広東省深セン市で、日本人学校に通う男子児童(10)が登校中に男に刃物で襲われ死亡しました。
深センの日本人学校の保護者
「ショックとしか言いようがないです」
事件前は半数以上のおよそ150人の児童・生徒が徒歩で通学していましたが、全員の送迎バスでの通学が可能となり、今週から登校が再開されました。
バス停には数人の警備員が配置されるなど、安全対策は強化されたといいますが、保護者の中には複雑な思いを抱えている人もいます。
深センの日本人学校の保護者
「この十分過ぎる警備はありがたいとは思うんですけど、これがいつまで続くんだろうという感覚はやはりあります。恐れて何もできないような状態にはなりたくないので」
一方、事件は日本人を狙った可能性もあるとして、日本政府は動機など、背景を明らかにするよう求めるとともに、SNSでの悪質な反日的な投稿の取り締まりを求めています。
こうした中、中国であるものが流行しているといいます。
日中戦争をテーマにした“抗日ドラマ”のワンシーンを体験するというアトラクションです。参加者は当時の中国兵となり、日本兵が人質をとって立てこもる城に攻め込むという設定で、中国メディアでもその人気ぶりが取り上げられています。
深センの日本人学校の保護者
「歴史の爪痕が中国にはまだちょっと色濃く残っているというか、もし(動機が)反日だと言う結果であれば、本当に帰国を考えないといけないのかもしれない」
背景が説明されないまま、事件から1か月。中国側は司法手続きが進んだ段階で、事件について説明する意向を示しているということです。
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