米南部ノースカロライナ州で、選挙集会後に支持者に応える共和党副大統領候補のバンス連邦上院議員=2024年10月16日、AP

 11月の米大統領選の共和党副大統領候補、バンス連邦上院議員は16日、東部ペンシルベニア州で記者団の質問に応じ、2020年の前回大統領選でのトランプ前大統領の敗北を否定した。「トランプ氏が選挙に負けたかと言えば、私が使う言葉では違う」と述べた。バンス氏は前回選挙の正当性に疑義を示す発言を繰り返してきたが、トランプ氏の敗北をここまで明確に否定したことはなかった。

 バンス氏は「前回の選挙には深刻な問題があった。私が知っているのは、巨大なテクノロジー企業が(バイデン大統領の次男)ハンター氏のラップトップに関する疑惑について話すことを検閲した。それが選挙に多大な影響を与えた」と述べた。

 前回選挙を巡っては、投票日を翌月に控えた20年10月に米紙ニューヨーク・ポストがハンター氏を巡る疑惑を報道。ハンター氏の個人用パソコンに保存されていたメールに基づき、ハンター氏が15年に当時取締役を務めていたウクライナ企業側と副大統領在任中のバイデン氏を引き合わせた疑惑が浮上した。しかし、フェイスブックやツイッター(現在のX)は「コンピューターのハッキングで入手された情報の疑いがある」などとして、記事に関する投稿を規制した経緯がある。

 一方、今回も選挙結果の受け入れを明言しないトランプ氏の言動を巡って、民主党は選挙後の混乱につながることを懸念している。【ワシントン秋山信一】

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