2022年2月、ベラルーシ・ゴメリ州で行われたロシアとウクライナの停戦交渉(タス=共同)

ウクライナとロシアのメディアによると、ドイツ紙ウェルトは、ロシアによるウクライナ侵略の開始直後の2022年春に行われた両国の停戦交渉で作成された和平合意の草案を入手し、26日に内容を報じた。草案にはウクライナが「永世中立国」となる一方、ロシアは侵略後に占領した地域から撤兵することなどが定められていたという。

和平合意は最終的に、ウクライナ北部ブチャで露軍の残虐行為が発覚したことなどを受けてウクライナ側が交渉停止を表明し、成立しなかった。

ウェルトは、草案作成当時のウクライナが現在よりロシアに対して有利な立場にあったと指摘。結果的に和平合意が当時成立していれば、無数の人命が失われずに済んでいたはずだと評価した。

報道によると、ウクライナ側は草案で、永世中立国化の容認▽核兵器の保有と外国の軍隊の受け入れの否定▽外国との合同軍事演習の不実施-などを約束。ロシア側は、ウクライナへの攻撃の停止▽関連諸国によるウクライナの安全の保証▽東部ドンバス地域(ドネツク、ルガンスク両州)の一部と南部クリミア半島のロシアへの事実上の譲渡-などを盛り込んだ。

両国はまた、戦後のウクライナ軍の保有戦力についても協議。双方の主張に相違があったが、両国大統領が会談して折り合いをつけることが想定されていたという。

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