パレスチナの治安権限を巡って対立関係にあるイスラム組織ハマスと、アッバス議長が率いる自治政府主流派ファタハの幹部が9日、パレスチナ自治区ガザなどでの戦闘終結後の協力計画に関してカイロで協議した。写真は9月、イスラエル・ガザ国境付近で撮影(2024年 ロイター/Florion Goga)

パレスチナの治安権限を巡って対立関係にあるイスラム組織ハマスと、アッバス議長が率いる自治政府主流派ファタハの幹部が9日、パレスチナ自治区ガザなどでの戦闘終結後の協力計画に関してカイロで協議した。ハマスの関係者がロイターに明らかにした。

ハマスとファタハが協議するのは7月以来。前回、中国で開いた会合では、ガザとイスラエル占領下のヨルダン川西岸地区でパレスチナ統一政府を樹立するための取り決めに関して合意した。


 

ハマスは2007年、ファタハとの戦闘を経てガザを武力制圧した。それ以降、パレスチナは自治政府が部分的に統治するヨルダン川西岸とガザで分裂した状態が続いている。

ハマスの報道官は、代表団は副司令官兼首席交渉官が率いると説明し「会合ではイスラエルのガザ地区への侵攻と、パレスチナの大義が直面する課題が話し合われる」と述べた。

23年10月7日にハマスがイスラエルを急襲したことを受け、イスラエルはガザでハマスを一掃するために軍事作戦を展開。戦闘終結後に関しても、ハマスが治安権限を持つことを認めていない。さらにパレスチナ自治政府の統治能力についても疑問視している。

一方、パレスチナ側は、戦闘集結後の治安権限を巡るイスラエル側からの条件設定は、内政干渉に当たるとして拒否している。

パレスチナの当局者は匿名で、統一政府に関して合意に至らない場合でも、各派は、ガザを運営して国境検問所の管理を支援する委員会を結成しようとする可能性があるとした。ただ、委員会の具体的な仕組みや責任範囲などは明らかになっていないとしている。

エジプトの治安当局者は、エジプトは5月以来閉鎖されているガザとの国境のラファ検問所を管理する仕組みについて合意形成を促していると述べた。



[ロイター]


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