米首都ワシントンにある連邦捜査局(FBI)本部=2024年2月14日、秋山信一撮影

 米連邦捜査局(FBI)は8日、米大統領選投票日(11月5日)に合わせて過激派組織「イスラム国」(IS)によるテロ計画に関与したとして、アフガニスタン出身のナシル・アフマド・タウヘディ容疑者(27)と未成年の義理の弟を外国テロ組織支援などの容疑で逮捕したと発表した。

 タウヘディ容疑者は「2人で群衆を標的にして、自分たちも殉教者として死ぬつもりだった」と供述しているという。

 FBIによると、タウヘディ容疑者は2021年9月、前月にアフガンからの撤収を完了した米軍の協力者らを対象にした「特別移民ビザ」でアフガンから米国に入国し、南部オクラホマ州に住んでいた。義理の弟らは先に米国に入国していた。タウヘディ容疑者はインターネットでISの関連情報を入手し、シリアでIS戦闘員の家族らの支援をする組織に寄付もしていた。

 容疑者と義弟は遅くとも今年夏には、ISでメンバー勧誘や訓練を担当する人物とSNS(ネット交流サービス)で接触していた。今年9月には「(自動小銃の)カラシニコフを2丁、銃弾を500発ほど注文した」「選挙の日に向けて準備していく」とIS側に伝えていた。

 親族が保有する住宅や家財道具を処分し、米国で一緒に暮らす家族を10月にアフガンに帰国させる手配もしていた。IS側には「家族は(アフガンで)どうなるのか。オンラインで話し合う相手を用意してほしい。すべて終われば、命令には何でも従う」と述べていた。

 しかし、2人が小銃を買おうとした相手は、FBIの協力者だった。2人は10月7日、小銃や弾倉を受け取ったところを拘束された。

 FBIは以前からISによる米国内でのテロのリスクが増していると警告していた。今年6月にはISとの関係が疑われるタジキスタン人8人が米国内3都市で一斉に拘束される事件もあった。【ワシントン秋山信一】

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