キルギス北部に停車するロシア企業の貨物列車 ALAN SAU/SHUTTERSTOCK

<ウクライナ侵攻を受け、対ロシア経済制裁が行われているが、東欧だけでなく中欧・西欧からの輸出も増え、制裁迂回の疑惑が>

中央アジアのキルギスに輸入が殺到する現状に、専門家が疑問の声を上げている。

2022年2月のウクライナ侵攻を受けて、EUやアメリカは包括的な対ロシア経済制裁に踏み切った。そんななか、企業はロシア周辺国のキルギスなどに出現した「違法貿易ハブ」に目を付けている。


IMFや米ブルッキングス研究所によれば、東欧諸国からキルギスへの輸出が増加したのはウクライナ侵攻直後だ。

「セルビアの対キルギス輸出の急増に、私たちは注意を喚起してきた。同様の増加はルーマニアやブルガリア、ハンガリーでも起きている。目的地は明らかにロシアだ」と、同研究所のロビン・ブルックス上級研究員は指摘している。

9月中旬にブルッキングス研究所が発表したデータを見ると、中欧・西欧諸国からの輸出もこの約2年間に急増。

2022年3月時点のドイツの対キルギス輸出額は1000万ドル未満だったが、今年7月は7000万ドル近くに上った。

制裁迂回の根絶が「最優先課題」だと、EUは主張するが。

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