ウクライナのドローンによる攻撃を受け、この戦争が始まって以来「最大規模」とも言われる巨大爆発が発生したトベリ州トロペツの弾薬庫一帯(9月18日) Maxar Technologies/Handout via REUTERS

<ロシア国内の弾薬庫が相次いでウクライナのドローン攻撃の標的となっている。18日にトベリ州トロペツの武器庫で大爆発が起きたばかりだったが...>

ウクライナによるものとみられるドローン攻撃により、ロシア国内の弾薬庫2カ所で爆発が相次いだ。ロシア軍の軍備を支える施設が、この戦争で最大規模の攻撃を受けた数日後のことだった。

【動画】燃え上がる弾薬庫からさらなる「巨大爆発」が...夜空を支配する炎と「音」が伝えるその威力

ウクライナは直接の関与を明らかにしないまま、国境からかなり離れた所にあるロシアの軍事施設を標的としたドローン攻撃を増やしてきた。本誌は最新の事案に関して、ウクライナ国防省のコメントを求めている。

テレグラムチャンネル「アストラ」に共有された動画は、ウクライナと国境を接するクラスノダール地方南部のチホレツク地区カメンニにある弾薬庫が、20日夜から21日にかけて爆発・炎上し続ける様子をとらえたものとされている。

クラスノダール地方のベニアミン・コンドラチェフ知事はテレグラム上で、ウクライナが「テロ攻撃」を実施したと述べ、防空および電子戦によってドローン2機を「制圧」したものの、落下した1機の残骸により火災が生じ、爆発物に延焼して爆発したと述べた。

現場付近の住民は避難しており、速報によれば犠牲者はいない、とコンドラチェフは補足した。

コンドラチェフは爆発が発生した場所について具体的に言及しなかったが、アストラによれば、攻撃されたのはチホレツクの弾薬庫だという。この弾薬庫には北朝鮮から運ばれてきた弾薬が保管されている、とワシントン・ポスト紙が2023年に報じていた。

ロシア国内のさらに北方では、トベリ州オクチャブリスキーにある別の弾薬庫が同じく20日夜に攻撃を受けた。NASAの火災マップには、この地域で大規模な火災が発生していることが示された。

この場所はトロペツの武器庫の近くに位置する。ロシア最大級とされるトロペツの武器庫は18日にウクライナのドローンによるとみられる攻撃を受け、小規模な地震と報告されたほどの大爆発を起こした。この場所が標的になったのは、そこに残っているものが何であれ綺麗に片付けるためだったからだと、ロシアの複数のテレグラムユーザーは述べている。

一方、親ウクライナのX(旧ツイッター)ユーザーは20日夜の爆発の動画を投稿している。ウクライナ・バトル・マップ(@ukraine_map)は、「ウクライナ軍は今晩、国境から300キロ離れたロシアのクラスノダール地方チホレツク地区にある大規模な弾薬庫を攻撃し、大きな爆発を引き起こした」と述べた。

「ウクライナは複数のドローン/ミサイルにより、ロシア国境から460キロのトベリ州にある別の弾薬庫も攻撃した」と投稿は続く。

親ウクライナのXアカウント@Tendarは、「ロシア・クラスノダール地方チホレツクにある弾薬庫のすさまじい爆発」と投稿している。「弾薬庫は完全に炎に包まれている。ロシアは兵站の主要ハブを一つずつ失っているようだ」

ロシア国防省は最新情報でこの破壊に言及していない一方、国境地域7カ所の上空でウクライナの無人機101機を撃墜したことを発表した。

ロシア側もウクライナのインフラを標的にしたドローンやミサイルによる攻撃を続けている。20日夜には、ドニプロペトロウシク州クリビーリフがミサイル攻撃を受け、3人が死亡、さらに3人が負傷したと地元当局は伝えている。

セルヒイ・リサク知事によると、死亡したのは12歳の少年1人と、75歳と79歳の女性2人だという。また、ドネツク州とヘルソン州でもロシアの攻撃により2人が死亡し、24人が負傷したと地元当局は伝えている。

(翻訳:ガリレオ)

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