施設に囚われていたのは、多くが信者の子どもだった Tinnakorn jorruang/Shutterstock

<施設に収容された子どもの多くは親が信者。幼い頃からとんでもない競技を教え込まれた子どもは身体も心も深く傷ついている>

マレーシアの警察当局は9月23日、イスラム系の複数の組織から200人近くの子どもを救出したと発表した。その多くは性的虐待を受けていたという。

【動画】逮捕された変態宗教の容疑者たち

マレーシア警察のラザルディン・フサイン長官は、グローバル・イフワーン・サービセズ・アンド・ビジネス(GISB)ホールディングスと関係がある複数の養護施設から、子どもや若者を救出したと発表した。うち59人は、5歳以下の幼い子どもだったという。

救出された中には、むち打ちの折檻を受けている動画が発見された男児や、足で踏まれている男児もいた、とフサインは述べた。

今回の捜索では、計187人の子どもが救出された。これで、これまでに救い出した18歳以下の子どもの数は合計572人になった。2024年に入って始まったGISBホールディングスに対する捜査の成果だ。

複数の警察幹部によると、今回逮捕された容疑者は少なくとも156人にのぼったという。

子ども同士の虐待強要も

フサインによると、救出された子どもの一部は肛門性交の被害に遭っていたほか、お互いに性的虐待行為をするように強要されていたケースもあったという。一部には熱したスプーンを押し当てられて火傷を負った子どももいた。

現在も進行中の医療的スクリーニングにより、少なくとも172人の子どもが心身両面で傷ついており、少なくとも13人が肛門性交をさせられていたことが判明している。

警察によると、被害者の大半はGISB従業員の子どもだ。GISBへの忠誠心を植え付けるために、まだ幼いころに養護施設に送られて教義を教え込まれていたという。

GISBの取り締まりは、マレーシア国王が迅速な警察の捜査を要求して以来、にわかに激しさを増している。衝撃的な虐待の疑惑に接して、国民の間では怒りが広がっている。

GISBは、イスラム教の生活様式を推進すると謳う一方、スーパーやパン屋、レストラン、薬局など、マレーシア国内外で多岐にわたる事業を展開している。

同グループの起源をたどると、アル・アルカムというイスラム系宗教団体に行き着くが、この団体は、マレーシア政府によって異端とされ、1994年に非合法化されている。

警察当局は先週、GISBの幹部複数の身柄を拘束した。同グループの最高経営責任者(CEO)であるナシルディン・モハメド・アリ、ならびに彼の妻2人、子ども2人も含まれている。また、非合法化されたアル・アルカムの創設者で、2010年に死亡した故アシャリ・モハメドの親族たちも逮捕されている。

約1万人に上るGISBの従業員および信者が、禁止されたアル・アルカムの教義をいまだに実践しているようだと、フサインは推定する。マレーシアのイスラム宗教局も、同グループへの調査を実施しているという。

マレーシア警察当局は9月11日にも、GISB関連の複数の児童養護施設を強制捜査し、171人の容疑者を逮捕、402人の子どもを救出したと発表していた。マレーシア警察のトップを務めるフサインはこの時も、救出された子どもたちは性的虐待を受け、搾取されていたと述べていた。

(翻訳:ガリレオ)

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