高機動ロケット砲システム「HIMARS」(2023年8月、ポーランド・ラドム) Karolis Kavolelis-Shutterstock
<「攻撃準備のために集合していた」とされるロシア部隊にクラスター弾が襲い掛かる瞬間の映像が話題に>
ロシア・クルスク州への越境攻撃を続けているウクライナ軍が、同州を流れるセイム川にかかる浮橋の1つを、高機動ロケット砲システム「HIMARS」による攻撃で破壊したと発表した。
【動画】浮橋付近に集ったロシア兵たちをHIMARSで「一蹴」する衝撃シーン
ドローン(無人機)を専門とするウクライナ無人システム部隊が9月12日に公開した動画には、HIMARSから発射されたクラスター弾が、セイム川にかけられた仮設の浮橋を攻撃する瞬間とされる様子が映っている。
ウクライナ軍はこの戦争で米国から供与されたHIMARSを頻繁に使用している。標的となるのは多くの場合、ロシアの最新鋭の地対空ミサイルシステムだ。
ウクライナ北東部スームィ州と国境を接するロシアのクルスク州では、ウクライナが8月6日に部隊と装甲車を展開させて以降、激しい戦闘が起きている。ウクライナ軍はロシア領をすばやく掌握し、ロシア軍は慌ててウクライナ国内の前線にいた軍事資源を追加配備した。
ウクライナ無人システム部隊がテレグラムで発表したところによると、ウクライナ軍はクルスク州でHIMARSを使用し、「多数の敵兵を消滅させるための作戦を成功させた」という。
「敵のロシア部隊は、ウクライナ軍部隊が占領する陣地への攻撃準備のために集合していた」
ウクライナ無人システム部隊は、HIMARSによって、「前線だけでなく、敵地の後方奥深くにも効果的に攻撃を加えることで戦況を変え、勝利をいっそう引き寄せることが可能になった」と述べている。
本誌はこの映像の真偽を独自に確認することができず、ロシア国防省に電子メールでコメントを求めている。
米シンクタンク戦争研究所(ISW)は12日、ウクライナ戦争に関する最新分析の中で、ウクライナ軍は8月にもセイム川にかかるロシアの浮橋をいくつか攻撃していたと指摘した。
ウクライナ軍がクルスク州を侵攻するなか、ロシア軍はこれらの浮橋を重要な物資補給ルートとして使用していた。
ISWが12日に発表した分析によれば、ロシア当局はクルスク州に第106空挺師団の部隊を追加で送り込んだとされる。そして、「ロシア軍による現在の反撃と、ロシア国内における今後の対ウクライナ軍反攻作戦を支援するために、より経験豊富な部隊の投入が始まる可能性がある」という。
(翻訳:ガリレオ)
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