日本にも影響するアメリカ大統領選挙。カマラ・ハリス副大統領とドナルド・トランプ前大統領の最初で最後とされる直接対決、テレビ討論会が日本時間11日に行われました。選挙結果に大きく影響すると言われる大事な「論戦」はどんな結果になったのか。アメリカの政治に詳しい早稲田大学の中林美恵子教授への取材などをもとにまとめました。

視聴率40%!?とても重要なテレビ討論会

 改めてアメリカ大統領選の2人の主人公を見ていきます。まず共和党のドナルド・トランプ前大統領(78)。ニューヨーク出身で、実業家から政治家になりました。2017年~2021年の4年間、大統領を経験。一方で、複数の刑事事件で起訴されている異例の大統領経験者です。

 そして民主党のカマラ・ハリス副大統領(59)。女性かつ黒人・アジア系で初の副大統領です。現職のバイデン大統領からバトンを受けた形になりました。カルフォルニア州司法長官、上院議員を歴任していて、初当選は2016年。2期目8年の経験のため、若手と言っていいかもしれません。

 9月10日時点での全米支持率はトランプ氏が47.3%、ハリス氏が48.4%で、拮抗しながらもハリス氏への期待の方少し多い状況です。

 アメリカ大統領候補のテレビ討論会は非常に重要と言われています。今年6月のバイデン氏対トランプ氏のときは約5130万人が視聴。4年前の2020年の時には7300万人が視聴しました。そして6月のテレビ討論会では、バイデン氏があまりに言葉が出てこず身を引くきっかけとなりました。それくらい何があるかわからないのがテレビ討論会です。

重要なことはコイントスで決定!テレビ討論会の主なルール

 今回のテレビ討論会では、ルールが以前と違う点がありました。主なルールを以下にまとめました。

 ▼無観客
 ▼時間は90分
 ▼カンペは禁止…記憶力も含めて大統領の能力が試される
 ▼質問内容は事前に知らせず
 ▼ペン・メモ用紙(相手が言ってることをメモするためのもの)や水はOK
 ▼CM中のスタッフとの相談は禁止
 ▼しゃべらない方のマイクOFF

 そして、大事なことである「立ち位置」と「最後の一言」は“コイントス”で決めました。

ハリス氏は合宿で『仮想トランプ氏』と猛特訓!?

 討論会では心配点が両者にありました。まず、トランプ氏は攻撃するのが得意ですが、相手は女性でありマイノリティでもあります。前々回の大統領選を戦ったヒラリー・クリントン氏と状況は異なり、どう見えるかを考えなくてはいけません。さらに、バイデン氏が相手のときは高齢であることを攻撃の材料にできましたが、ハリス氏は自身よりかなり若いです。

 一方で、ハリス氏の心配点は経験不足である点です。なんと、討論会に向けて合宿をしたそうで、側近にカツラなどを被せ、“仮想トランプ氏”を相手に討論の特訓をしたということです。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。