子供たちは募金活動に従事させられた上、性的虐待を受けていた(写真はイメージです) HTWE/Shutterstock

<異端の宗教がらみの犯行か。児童労働もさせていた>

マレーシアの警察当局は9月11日、性的虐待されていたとみられる子供402人を救出したと発表した。

発表によれば、警察は複数の児童養護施設を強制捜査し、子供を救出するとともに171人の容疑者を逮捕した。施設はいずれも、特定のイスラム系企業グループと関係があったという。マレーシア警察のラザルディン・フサイン長官は、子供たちは性的虐待を受け、無償労働させられていたと述べた。

フサインによれば、警察は強制捜査の前から、グローバル・イフワーン・サービセズ・アンド・ビジネスが運営する養護施設で子供たちがじゅうぶんな世話も受けられず、異端の教義を教えられて性的暴力を受けているという通報を受けて捜査を行っていたという。

救出された子供たちの年齢は1~17歳で、男女比は1対1だった。強制捜査を受けた施設のうち、2つは南部のヌグリスンビラン州にあり、残る18施設は中部のセランゴール州にあった。

フサインによれば、容疑者のうち女は105人で男は66人。この中には教師や、子供たちの世話を担当する施設職員もいたという。テレビ放送された記者会見でフサインは、子供たちは職員から性的虐待を受けた上、他の子供に同じことをするよう強要されていたという。

「子供たちは病気になっても、症状が深刻になるまで医師の診察も受けさせてもらえなかった」とフサインは述べた。

背後に非合法化された宗教団体か

フサインによれば、救出された子供たちの中には、罰として熱した金属スプーンを押しつけられて火傷を負った子供もいたという。また、健康チェックの名目で職員から体を触られることもあったという。

また子供たちの信仰心につけこんで、募金活動に従事させていたとようだ、とフサインは述べた。

子供たちは幼い時にグローバル・イフワーンのメンバーによって施設に連れてこられたことが捜査で明らかになっている。

公式ホームページの記載によれば、グローバル・イフワーンは、アル・アルカムというイスラム系宗教団体の創設者によって設立された。アル・アルカムはマレーシア政府により異端とされ、1994年に非合法化された。

2010年の創設者の死後は新しいイメージの下での活動を模索してきたが、異端の教えをいまだに広げようとしているとの疑いから、当局からはにらまれていた。

グローバル・イフワーンは今週出した声明で、子供たちを搾取していたとの疑いは否定したものの、性的虐待については明確な回答を避けた。

「我々は法に反するいかなる活動もしていない。特に、子供を労働者として搾取することに関してはそうだ」と声明は述べている。

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