10日に開かれる米大統領選の候補者討論会で民主党のハリス副大統領(写真)は、ソーシャルメディアへの反響を念頭に置きつつ、共和党のトランプ前大統領の自制心を失わせるとともに、近年のトランプ氏による頻繁な虚偽の発言が注目される方法に重点を置いて準備を整えている。写真は2日、ミシガン州デトロイトで撮影(2024年 ロイター/Brendan McDermid)
10日に開かれる米大統領選の候補者討論会で民主党のハリス副大統領は、ソーシャルメディアへの反響を念頭に置きつつ、共和党のトランプ前大統領の自制心を失わせるとともに、近年のトランプ氏による頻繁な虚偽の発言が注目される方法に重点を置いて準備を整えている。ハリス氏陣営の関係者が明らかにした。
関係者によると、ハリス氏は今回の討論会で、米国の国境沿いの壁やインフラ、新型コロナウイルスのパンデミックに関するトランプ氏の失敗に焦点を当てる計画だ。ただ、個人的な攻撃に引き込まれることは回避したいと考えている。
トランプ氏陣営はこれまで、ハリス氏とバイデン大統領の政権運営を巡り、インフレや大量の不法移民流入、経済政策を槍玉に挙げて非難してきた。新型コロナウイルス感染症による死者数は、トランプ政権下よりもバイデン政権下の方が多かった。
全米の世論調査でハリス氏がトランプ氏を若干リードして以降、トランプ氏のハリス氏に対する攻撃は激化している。
ハリス氏は政策に焦点を絞った演説を何度か行っているが、有権者は同氏のより詳しい政策を知りたがっている。
共和党のストラテジスト、リナ・シャー氏は「激戦州の無党派層は今なお、ハリス氏からもっと詳しい政策の提案を聞く必要があり、聞きたいと思っている」と指摘。「ハリス氏はトランプ政権下での失敗について事実や数値、データを使ってトランプ氏に反撃する必要があるだろう」と述べた。
2020年の大統領選で自分が勝利したとの虚偽の主張を繰り返してきたトランプ氏に、ハリス氏がどのように対峙するかも、注目されるポイントだ。
民主党のストラテジスト、ジェームズ・カービル氏は4日、ニューヨーク・タイムズ紙への寄稿で、「ハリス氏は自分についてトランプ氏に語らせるべきだ。語らせるだけでなく、トランプ氏が前回大統領選を巡る正気の沙汰ではない陰謀論を持ち出すよう駆り立てるべきだ」と主張した。
[ロイター]
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