中国の趙楽際・全国人民代表大会常務委員長との会談後、記者団の取材に応じる二階俊博・日中友好議連会長(左から4人目)=北京で2024年8月28日、岡崎英遠撮影

 超党派の国会議員でつくる日中友好議員連盟(会長=二階俊博・自民党元幹事長)の訪中団は28日、北京の人民大会堂で中国共産党序列3位の趙楽際・全国人民代表大会(全人代)常務委員長と会談した。二階氏は会談で、26日に起きた中国軍機の日本領空侵犯について遺憾の意を表明し、再発防止を要求した。趙氏は「中国側には日本の領空を侵犯する意図はない」と答えたという。

 二階氏らは28日、王毅共産党政治局員兼外相とも会談する。

 日中友好議連の訪中は2019年5月以来。趙氏との会談で二階氏は、新型コロナウイルスの感染拡大以降、中国側が停止している日本人に対する短期滞在査証(ビザ)免除の早期再開も要望した。趙氏は「日本の各界の要望については尊重し、重視している」と応じた。会談後、二階氏は記者団に「前向きな発言だ」と評価し、ビザ免除再開に向けて引き続き中国側へ働きかけていく意向を示した。

 一方、東京電力福島第1原発の処理水海洋放出を受けて中国で禁輸扱いとなった日本産水産物や、01年の牛海綿状脳症(BSE)の発生を理由に禁輸が続く日本産牛肉の輸出再開問題も議題に上ったが、趙氏は中国の従来の主張を述べるにとどめた。二階氏は政党間交流の活性化を呼びかけ、趙氏も賛同したという。

 訪中団は27~29日の日程で北京を訪問。自民党の森山裕総務会長、小渕優子選挙対策委員長、公明党の北側一雄副代表、立憲民主党の岡田克也幹事長らが参加している。【北京・岡崎英遠】

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