ジョー・バイデン米大統領(81)は19日、中西部イリノイ州シカゴで開かれた民主党全国大会で約50分間演説した。
バイデン氏はこの日最後のスピーカーとして、娘のアシュリーさんに紹介されて登壇。アシュリーさんと壇上で抱き合うと、感極まったのか、目に浮かんだ涙を白いティッシュでぬぐった。
演説では、11月の大統領選の出馬を断念した自身に代わって立候補するカマラ・ハリス副大統領(59)について「副大統領候補に選んだのは、私のベストな判断だ。彼女はタフで、経験があり、高潔だ。彼女は歴史的大統領になる」とエールを送った。
バイデン氏は7月に選挙戦から撤退。本来は自身の晴れ舞台になるはずの党大会で、自身の大統領としての実績をアピールし、「間違いもしたが、国のためにベストを尽くしてきた」と強調した。
29歳で上院議員に当選した経緯も踏まえ「上院議員としては若すぎ、大統領にとどまるには年をとりすぎだったかもしれない」とジョークを飛ばす場面もあった。
党大会では聴衆が「ジョー、愛している」「ありがとう、ジョー」のバナーを掲げて、バイデン氏をたたえた。先に登壇したヒラリー・クリントン元国務長官や、若手で有望視されるアレクサンドリア・オカシオコルテス連邦下院議員らも、バイデン氏を相次いで称賛した。
バイデン氏は6月の共和党のトランプ前大統領との討論会で、答弁が安定せず、加齢による衰えへの懸念が増大。民主党内から出馬を断念するよう圧力を受け、選挙戦から撤退した。バイデン氏自身は「トランプ氏との選挙は接戦で、最後まで分からない状況だった」と口惜しさをにじませている。【シカゴ秋山信一】
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