(写真はイメージです) Zysko Sergii-Shutterstock
<第12特務旅団アゾフの公開した動画には、攻撃を受けて炎に包まれるロシアの戦車が>
開いたハッチから侵入した精密なドローン攻撃により、ウクライナ軍がロシアの戦車を破壊する様子を映した動画をウクライナ国防省が公開した。
【動画】開いたハッチから侵入して爆発...FPVドローンで破壊され、炎に包まれるロシア戦車
この動画はウクライナの第12特務旅団「アゾフ旅団」によって投稿されたものだ。木々の中に隠れていたロシアの戦車にドローンがゆっくりと接近し、開いたハッチに降下していく様子が映っている。その後、炎に包まれた戦車が映し出される。
アゾフ旅団はX(旧ツイッター)に、「第12特務旅団アゾフの諜報部隊が緑地帯で敵の戦車を発見した」と綴っている。「UAV(無人航空機)攻撃中隊のオペレーターは、敵の電子戦を巧みにすり抜け、標的の砲塔ハッチを攻撃した」
ウクライナ国防省はXでこう付け加えた。「戦車の開いたハッチは、わが軍のFPV(一人称視点)ドローンオペレーターにとって最高のプレゼントだ。われわれはそれを最大限に活用する方法を知っている」
同省が公開した別の動画には、第25空挺旅団が戦車や輸送車、軍装備らしきものなど、いくつもの敵の標的を攻撃する様子が映っている。
ウクライナ側の発表によれば、2022年2月にロシアがウクライナへの全面侵攻を開始して以来、全部で8455両のロシア戦車が破壊されたという。さらに、8月12日の戦闘で戦車5両が破壊された、とウクライナ国防省は伝えている。
アゾフ旅団は準軍事組織の「アゾフ大隊」が元になっており、極右・超愛国主義のイデオロギーにルーツをもつ。アゾフ大隊のメンバーは2014年から、ウクライナの親ロシア分離主義者との闘いで前線に立っていた。大隊の創設者はネオナチ傾向があると非難されていた。
現在のアゾフ旅団のメンバーはそうしたつながりを否定しており、全面戦争の勃発以来、大隊の評判とは距離をとっている。現在のアゾフ旅団はウクライナ国家警備隊の一部であり、ウクライナ屈指の有能な戦闘部隊と称えられている。
ウクライナは2022年以降、一貫してドローンを有効活用してきた。これにより、ウクライナ軍を攻撃するために用いられてきたロシアの高価な軍事資産を標的にしている。
8月上旬には、ウクライナ保安庁(SBU)の特殊部隊が、国境地帯のロシア・クルスク州上空を飛行していたロシア軍の「Mi-28」ヘリコプターをFPVドローンで攻撃し、損傷させた。この攻撃は、ウクライナがFPVドローンによって、飛行中のヘリコプターを撃墜したことが確認された初めての事例とみられる。
ウクライナの安全保障関係者は本誌に対し、この攻撃は「敵の標的に対する、きわめて独創的な攻撃の一つ」と話した。
ウクライナ保安庁のこのドローンは、ヘリコプターのテールローター(編集部注:後方の小さなプロペラ)に衝突した、とこの情報筋は述べている。このドローン攻撃がヘリコプターを完全に無力化したかは明らかになっていない。
ウクライナ軍の戦略コミュニケーション局はこの攻撃について、「おそらくドローンがヘリコプターを撃墜した、世界史上初のケースだろう」と述べている。
(翻訳:ガリレオ)
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