ノルドストリーム2から漏れたガスがバルト海の表面に達する様子=デンマーク沖合で2022年9月27日、デンマーク軍提供・ロイター

 ロシア産天然ガスをドイツに送る海底パイプライン「ノルドストリーム」で2022年9月に相次いで起きた爆発事件で、ドイツ連邦検察庁はウクライナ人のダイビングインストラクターの男性(44)が関与した疑いがあるとして、滞在先のポーランド検察当局に逮捕を要請した。ドイツメディアが14日、一斉に報じた。

 ただ、男性は7月上旬にウクライナへ逃れたという。ドイツ捜査当局は、この男性のほか、ダイビングスクールを営む男女2人も関与したとみているが、逮捕状は出ていない。

 ノルドストリームは3カ所で破壊され、ドイツ検察は23年1月、爆発に関与した疑いがある小型船を捜索。熟練したダイバーが水深70~80メートルにあるパイプラインに爆発物を仕掛けたとみていた。

 ノルドストリームは独露の経済・エネルギー依存関係の象徴として、特にロシアのウクライナ侵攻後に批判を受けてきた。欧米メディアは爆発にはウクライナが関与している可能性を指摘したが、政府は否定している。

 ノルドストリームは2本で構成され、初代ノルドストリームは11年に稼働を始めた。並行するノルドストリーム2は21年に完成したものの、独政府はロシアのウクライナ侵攻を受けて承認手続きを停止している。【ブリュッセル岡大介】

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