ウクライナのシルスキー軍総司令官は12日、越境攻撃を行っているロシア西部クルスク州で、ウクライナ軍は約1000平方キロメートルの領土を制圧したと明らかにした。写真はウクライナのゼレンスキー大統領。4日撮影(2024年 ロイター/Valentyn Ogirenko)
ウクライナは12日、越境攻撃を行っているロシア西部クルスク州で約1000平方キロメートルの領土を制圧したと明らかにした。また、ロシアを和平に追い込む必要があるとの見方を示した。
ゼレンスキー大統領はシルスキー軍総司令官の報告動画を対話アプリ「テレグラム」に投稿。シルスキー氏はその中で「クルスク州で攻撃作戦を継続しており、現時点で約1000平方キロのロシア領を支配している」と述べた。同司令官がロシアへの越境攻撃に言及するのは初めて。
ゼレンスキー氏はウクライナ制圧下にあるロシア領での「人道計画」の準備を命じたと表明。ロシアへの攻撃に長距離兵器を使用する許可を西側の同盟国から得るために必要な措置のリストを作成するよう、国防省などに指示したことも明らかにした。
ウクライナのウメロフ国防相はこの日、フランスのルコルニュ国防相と電話会談を行い、西側諸国に供与された兵器でロシアの軍事目標を攻撃することを巡る規制を解除するよう要請した。
クルスク州のスミルノフ知事代行はこの日、プーチン大統領らが参加する会合で、ウクライナ軍は国境から約12キロの地域まで幅40キロにわたり侵入し、州内で28の集落を制圧したと報告した。
ゼレンスキー氏は国民向け演説で、越境攻撃はウクライナの安全保障上の問題だと説明。ロシアがクルスク州からウクライナに多数の攻撃を仕掛けているとし、同地域と国境を接するウクライナ北東部スムイ州は6月1日以降、ロシアから2100回近い攻撃を受けたと述べた。
また「プーチンがそこまで戦いたいなら、ロシアを和平に追い込む必要がある」と述べた。
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