戦禍にさらされるパレスチナ自治区ガザに、高知県南国市に住んでいた家族がいます。家族を高知に避難させたいと4月、来日していたアラブ首長国連邦在住の男性が高知を離れ、改めて「家族で高知に住みたい」と胸の内を話しました。

【4月8日・空港】
4月8日、高知龍馬空港に到着したモハメド・アルダフディーさん、22歳。南国市生まれで、アラブ首長国連邦の大学に通っています。

23年前。父・ジアードさんが今の高知大学医学部の大学院に留学していたことから家族で南国市に移り住んでいたモハメドさん一家。当時、小学3年生だった姉のノールさんは岡豊小学校に通っていました。

ノールさん:
(授業で発表シーン)
「えっとねー、肉をいっぱい売りゆう」

土佐弁をすぐに覚え、高知での暮らしに馴染んでいましたが、祖国パレスチナの言葉を忘れてほしくないという両親の強い思いから2003年に高知を離れました。

それから21年。
4月9日県庁を訪れたモハメドさん。

モハメドさん(22):
「高知で撮った写真は自宅にたくさんあります。私は生まれたばかりで覚えていませんが、いつも眺めていました。桜の季節の美しい写真もあり、桜の季節に帰ってこようと思っていました」

ガザ南部・ラファに暮らす家族を高知に避難させたいと日本国籍を持つモハメドさんが一足早く来日。浜田知事を訪問し協力を求めました。

モハメドさん:「サクラ!」

桜の名所・高知城。父・ジアードさんとの思い出の場所にも足を運びました。

モハメドさん:
「(写真と)一緒だ、きれい」
「いい景色ですね」

高知にいた10日間、家族とゆかりのある場所や観光地を巡りました。

モハメドさん:
「父が留学していた高知大学医学部を訪れ職員の方に会いました」
「家族の思い出や父が賢く、優しい人だったと教えてくれました」

4月17日。空港には20年前の家族を知る友人や支援者らが見送りに訪れました。

モハメドさん(22):
「高知でたくさん素敵な方々に会いました。多くの支援をいただいてここに立っているのに感謝しています」
「まずは高知に家族を避難させ、日本で社会人としての生活を始めたいです」
「高知がわたしを救ってくれたように、わたしも将来、高知に恩返しをしたい」

「see you soon」
「どんな場所よりも高知に住みたい」。

モハメドさんはそう言い、笑顔で飛び立ちました。
次は家族と一緒に高知へー。

モハメドさんは2024年7月末に再び高知を訪れる予定で、12月に大学を卒業した後は高知での生活を始めたいとしています。

3月、発足した「モハメドさん家族応援団」では、渡航費や生活支援に向けた寄付金を募っています。

振込先は
四国銀行 旭支店 普通預金 5264970
口座名義:モハメドさん家族応援団

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