7月、世界遺産に登録された「佐渡島の金山」。今後の課題とされているのが、その保存や活用方法です。インドの世界遺産委員会に参加した新潟県の花角知事たちは、現地の経済や観光事情から今後の取り組みへのヒントを探りました。

■インドの世界遺産視察!観光客訪れる中…地元住民の憩いの場にも

7月、インドで開かれた世界遺産委員会。「佐渡島の金山」の世界文化遺産登録が決定し、参加した関係者は喜びであふれていました。

歴史的な日から一夜明け…首都・ニューデリーのこの日の最高気温は38.4℃。湿度も高い中、花角知事たちが視察したのは、世界文化遺産「フマユーン廟」です。

1570年に建てられた皇帝の墓で、31年前に世界文化遺産として登録されました。

この日は観光客が訪れていたのに加え、敷地内の庭園が地元の人の憩いの場ともなっていました。

【佐渡市 渡辺竜五 市長】
「住んでいる人も、訪れる人も感動するようなエリアというのが一番大事だと思っている。佐渡の子どもたちも『この施設を守っていこう』と思えると思う。そこが一番、世界遺産というのは大事かなと」

■世界遺産の“保存”「どれだけお金をかけるのか…いずれ問題に」

一方、展示されていたのはフマユーン廟の修復課程です。

【花角知事】
「まあ、どこでも保存は大変ですよね」

【ガイド】
「世界遺産だから、将来のために守っていかないといけない」

「佐渡島の金山」にとっても“保存”は今後の課題の一つです。

【花角知事】
「佐渡市も県も、文化財保護にどういう、あるいはどれだけのお金をかけていくのかというのは、やっぱりいずれ問題になる。ここに入っている人たちは皆さんお金を払って入っているわけなので、やっぱりそういう面では理解してもらうことが大事。内部がどうなっているかということよりも、どういう技術でつくられているのかとか」

さらに世界遺産登録決定で増加が予想される観光客の受け入れも課題の一つとなっています。

【県観光文化スポーツ部 前川翔 副部長】
「今回、世界遺産に登録されて新潟の観光地に人が増えていくとなったときに、宿泊施設とかの人手不足は非常に大きい」

■インド人材獲得・観光客の可能性は…「早めにつながりを」

帰国前に日本貿易振興機構・JETROのニューデリー事務所を訪れた一行。ここで経済成長がいじるしく世界一の人口を誇るインド人材獲得の可能性を探りました。

【佐渡市 渡辺竜五 市長】
「留学生が出るとか、例えば働きに出る可能性は日本ではどんな状況?」

【日本貿易振興機構ニューデリー事務所 鈴木隆史 所長】
「実は去年から日本企業に対してインド人材をもっと採用してみませんかという話の取り組みを始めているくらい」

さらに働き手だけでなく、人口の多いインドからの観光客にも期待がかかりますが…

【花角知事】
「中間層が育っていかないとまだ分からないところもあるんでしょうけども、そもそも旅行好きの国民なのか…」

インドにおけるパスポートの保有者は人口の1割以下とまだ経済的な格差も…それでも日本政府観光局デリー事務所の文野領所長は旅行好きが多くこれから伸びる市場だと話します。

【JNTO(日本政府観光局)デリー事務所 文野領 所長】
「苗場とか基本的に雄大な自然が写っているコンテンツは非常に受けがいい。伝統文化と自然が渾然一体となっているというようなところに魅力を感じるんだろうなと…」

【一同】
「佐渡だよ…笑」

世界遺産登録で広がる新潟の新たな可能性。

【花角知事】
「市場としてはこれから。本当にこれからだなというのを実感した。楽しみ。だから早めに新潟県としてつながりをつくっておくことが大事」

この流れをどうつなぐのか、自治体の手腕が問われます。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。