副大統領候補に指名したウォルツ(右から2人目)を紹介するカマラ・ハリス。右端は妻のグウェン・ウォルツ(8月6日、フィラデルフィア) Photo by Lev Radin/Sipa USA

ウォルツはアメリカ政府の許可を得て中国で教育活動を行なった最初のグループの一人。教師として中国の高校で教鞭を取り、新婚旅行も中国だった

民主党の大統領候補であるカマラ・ハリス副大統領から、次期副大統領候補に指名されたミネソタ州のティム・ウォルツ知事は、教育者として中国と深いつながりがある。

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元下院議員で現在60歳のウォルツは、生まれ故郷のネブラスカ州にあるシャドロン州立カレッジで1989年に、社会科学教育で学士の学位を得た。同州の新聞リンカーン・ジャーナル・スターによると、ウォルツは1985年に、ヒューストン大学で東アジア研究の授業も受けていたという。

大学卒業後、ハーバード大学の「ワールドティーチ(WorldTeach)」プログラムの一環で、約1年間にわたって中国の高校で教鞭をとった。ウォルツは、アメリカ政府の許可を得て中国で教育活動を行なった最初のグループの1人。

報道によると、長く陸軍州兵の一員でもあったウォルツは、中国の高校生に対して、アメリカの歴史や文化、英語を教えたという。

「あの地を訪れたことは、私が今まで行った中でも最高のことの1つだ」──中国から帰国後、ウォルツはネブラスカ州兵向けの機関紙にそう語った。

それから5年後、ウォルツは同じく教師の新妻グウェンと、新婚旅行を中国で過ごした。夫妻はこの間、中国ツアーに参加した2つの高校のグループを率いていたと、ジャーナル・スター紙は伝えている。

中国旅行の企画会社も経営

本誌が調査した業務記録によると、ウォルツ夫妻は1994年、「エデュケーション・トラベル・アドベンチャーズ」という企業を設立した。同社は、毎年の中国への学生旅行を企画する企業だった。妻であるグウェン・ウォルツの略歴には、今や副大統領候補となった夫とともに、2003年までこれらの旅行を企画していたとの記述がある。

グウェン・ウォルツはミネソタ州で育ち、グスタバス・アドルファス・カレッジとミネソタ州立大学を卒業している。大学卒業後は、ネブラスカ州西部で英語(国語)を教え、のちに夫となるティム・ウォルツと出会った。その後、グウェンはミネソタ州マンケイト地域の公立学校区の監督官や調整官を務めたことが、本誌が調査した記録で判明した。

マンケイト地域の公立学校区では、夫のティム・ウォルツも社会の授業を持ち、学校のアメフトチームの指導補助も行なっていた。

ウォルツは2018年、ミネソタ州知事選挙で共和党候補のジェフ・ジョンソンを破り、以来
ミネソタ州知事を務めている。それ以前は、2007〜2019年まで、ミネソタ州第1区から選出され、連邦下院議員を務めていた。

妻のグウェンは、夫が知事を務めるミネソタ州全土で、教育改革や健康プログラムの推進に重要な役割を果たしてきた。グウェンはまた、収監された人たちに高等教育の機会と資金を提供するニューヨーク州北部の「バード・プリズン・イニシアティブ」と共同して取り組みを進めている。

夫のティムがハリスの次期副大統領候補に選ばれたという報道が流れた直後、グウェンは、ミネソタ州教育省の「新学期カンファレンス」でスピーチをした。

ウィルマー公立学校区のビル・アダムス教育長によると、グウェンは、「育ってきた環境や郵便番号を問わず、すべての学生は、質の高い教育を受けるに値する存在だ」と述べたという。

(翻訳:ガリレオ)

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