選挙集会に臨むトランプ前米大統領=東部ペンシルベニア州フィラデルフィアで2024年6月22日、AP

 11月の米大統領選を巡り、米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は11日、復権を狙う共和党のドナルド・トランプ前大統領(78)について「指導者にふさわしくない」とする社説を掲載した。

 社説では、有権者に対してトランプ氏が返り咲いた場合の危険性を認識した上で拒否するよう主張。同氏の言動は団結や癒やしとは程遠く、米社会の分断や怒りをさらに増幅させるとした。

 同紙は先月下旬と今月上旬、高齢不安が再燃している民主党のジョー・バイデン大統領(81)に対し、社説で選挙戦からの撤退を求めたばかり。11日の社説では、今回の大統領選の争点は米大統領としての「資質」だと強調した。

 また、トランプ氏は憲法や法の支配、米国民への敬意を欠いていると指摘。大統領を目指す動機は、個人の利益と自身を不当に扱った者への報復のためだとの見方を示した。

 共和党は今月15~18日に開かれる党大会で、トランプ氏を大統領候補に正式に指名する。ニューヨーク・タイムズは、民主党内でバイデン氏への撤退要求が強まっている一方で、共和党内にトランプ氏の道徳観や気質に関する議論がないことは「国家的な悲劇だ」とも記した。【ニューヨーク中村聡也】

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。