ロッキード・マーティン社サニーベール工場の入口ゲート Sundry Photography-Shutterstock

<ロッキード・マーティン社のサニーベール工場には、イスラエルに武器を販売する同社に抗議する100人以上のデモ隊が集まっていた>

4月4日、米カリフォルニア州にあるロッキード・マーティン社の施設を抗議デモの参加者たちが封鎖していたところ、SUVに乗った1人の労働者が強行突破しようとし、ナイフをちらつかせて「仕事に行かなきゃいけないんだ」と叫ぶ事件が発生した。

【動画】入口を塞ぐデモ隊をSUVで強行突破し、「死にたくなければ道をあけろ!」とデモ隊にナイフを向けて怒鳴る男

抗議者たちはこの日の朝、サニーベールの工場周辺に集まり、イスラエルのガザ戦争において同社が担っている役割に反対した。ロッキード・マーティン社は、イスラエルがこの戦争で使用し、半年間で3万人以上の命を奪ってきた戦闘機F-16とF-35、そしてヘルファイア・ミサイルを製造している。

動画には、停止するよう求めるデモ隊の方に向かって白い車がスピードを上げる様子が映っている。封鎖線の数十センチ手前で車を止めて出てきた男は、刃物を取り出した。

「死にたくなければ道をあけろ!」と叫ぶ男に対し、カメラに映っていないデモ隊の一人が「刑務所に行きたくないなら武器を捨てて」と諭している。これに男は、「お前らこそ刑務所に行きたくなければさっさと道をあけろ!」と反論した。

この場面をビデオに収めたデモ参加者のジャージー・ノアは、この男はロッキード・マーティンの従業員だとインスタグラムで説明している。同社は事実関係を明らかにしていない。本誌はサニーベールの施設に5日の営業時間外に電子メールで問い合わせた。

広報担当者は声明の中で、「当社は公正で平和的な抗議の権利を尊重する」と前置きしたうえで、従業員の行動規範に対する「違反がなかったかを徹底的に調査する」と付け加えた。

この騒動は、イスラエルの戦争がアメリカ国内に引き起こしている緊張の高まりを示している。ギャラップ社が3月下旬に行った世論調査によれば、米国民の過半数(55%)がイスラエルの軍事行動を支持しておらず、昨年11月の同調査での45%からその比率が上がっている。

地元メディアのNBCベイエリアによれば、この日サニーベールの施設には学生や教員、技術者ら約135人の抗議者が集まったという。

デモ参加者のマラミヤ・イェンスーンはSUVの動画が公開される前に発表したリリースで、「私たちはロッキード・マーティン社の業務を妨げ、アメリカからイスラエルへの武器販売をすべて停止するよう要求するためにここに集まった」と述べた。

4日遅くにジョー・バイデン大統領は、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相に対し、これまでで最も厳しい警告を発した。ガザで活動する慈善団体「ワールド・セントラル・キッチン」の職員7人がイスラエルの攻撃で死亡して以来、初めての電話会談だった。

30分間の通話でバイデンは、アメリカが今後イスラエルの戦争を支援するかは、民間人や人道支援者を守るための新たな「個別具体的で目に見える」措置に動くかどうかにかかっていると伝えた。

(翻訳:ガリレオ)

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