ウクライナ情勢などを巡ってアメリカとロシアの対立が深まる中、両国の国防相が1年3カ月ぶりの電話会談です。
アメリカ国防総省は25日、オースティン国防長官が、ロシアのベロウソフ国防相と電話会談を行ったことを明らかにしました。
ベロウソフ氏は5月に国防相に就任したばかりで、両国の国防相による電話会談は1年3カ月ぶりです。
ロシアのウクライナ侵攻を背景に、米ロの対立が激しくなる中、対話を継続することで意図しない緊張拡大や衝突を避ける狙いがあるものとみられます。
ロシア国防省の発表によりますと、ベロウソフ氏はアメリカがウクライナに武器を供与することで、緊張がさらに高まる危険性があるとして警告したということです。
このニュースについて、取材センター・立石修室長とともにくわしくお伝えします。
アメリカ製の武器を巡っては今、ロシアとアメリカの間でこんな対立が起きているんです。
ロシアがウクライナから奪って、10年間にわたり実効支配するクリミア半島。
セバストポリという軍港のある町にあるビーチでは、海水浴客らが楽しんでいるところに、海のほうで水の柱が次々と上がっていくのが確認できます。
ロシア側は、これが「ウクライナによる攻撃で4人が死亡した」と主張していますが、このポイントは、攻撃に使われたものが「アメリカ製の長距離ミサイルだった」とロシアが主張していて、アメリカに対して態度を硬化させている点です。
――ビーチを見ると、たくさん一般客がいる中でかなりの数が上がっているが、この武器はどういうものなのか?
これは、アメリカのロッキード・マーチン社製の「ATACMS」というもので射程は300kmになるミサイル。
発射場所にもよりますが、ウクライナからロシア領内に優に届くミサイルだといいます。
ロシア側は、「このミサイルに小さく小分けされたクラスター爆弾が搭載されているため数々の爆発が起きている。これによって市民に大きな被害が出た」とアメリカ側を非難しています。
――この春まで、アメリカはウクライナに対して、“アメリカが提供した武器はウクライナ領内で使うものでロシア領内は攻撃しない”よう求めてきたわけだが、クリミアとなると米ロの緊張が高まっていく懸念があるが?
ウクライナが2024年に入って戦況が劣勢な状況を受け、アメリカは限定的に、アメリカが提供した武器を使ってウクライナにロシア領への攻撃を認めてきました。
しかし、さらに先週になり“場所も限定しない”と条件を緩めました。
そのわずか数日後にクリミアへの攻撃が行われたということで、ロシアは特に、ウクライナではなくアメリカに対していら立っているんです。
モスクワにいるアメリカ大使を呼び出して「報復措置は必ずとられる」と警告し、プレッシャーをかけています。
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