韓国の尹錫悦大統領=2021年11月12日、坂口裕彦撮影

 韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は25日、朝鮮戦争(1950~53年)の開戦から74年を記念する式典で演説した。尹氏は、北朝鮮が「国際社会が繰り返し警告しているにもかかわらず、依然として核・ミサイル能力を高度化している」と批判。「確固たる態勢を維持し(北朝鮮の)挑発に圧倒的に、断固として対応する」と述べた。

 式典は、朝鮮戦争の激戦地として知られる南東部・大邱(テグ)で開催された。尹氏は、ロシアと北朝鮮が19日、有事の際に互いに軍事支援すると定めた条約に署名したことにふれ「歴史の進歩に逆行する時代錯誤の行動だ」と反発。「さらに強固で強力になった韓米同盟を土台に、自由の価値を共有する国々と連帯し、我々の自由と平和をより一層強固に守っていく」と訴えた。

 一方、北朝鮮国営の朝鮮中央通信によると、朝鮮労働党機関紙「労働新聞」は25日付の社説で「我が祖国は今、尽きることのない抑止力を完璧に備えた軍事強国として威容を誇っている」と強調した。

 尹氏は大統領就任以降、北朝鮮に強硬姿勢で臨み、米韓同盟を強化。北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)政権も韓国を「主敵」と位置づけ、南北関係は緊張の度合いを増している。【ソウル福岡静哉】

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