まもなく馬車でバッキンガム宮殿へ向かわれる天皇皇后両陛下。イギリス王室と絆を深める晩餐(ばんさん)会に臨まれます。

■両陛下迎えロンドン“歓迎ムード”

 この後、天皇皇后両陛下を迎えた歓迎式典が予定されているバッキンガム宮殿前。パレードが行われる通り「ザ・マル」では、パレードに向けて信号機の撤去が行われています。

 前日は巨大な施設を視察された陛下。テムズ川の氾濫を防ぐ水門「テムズバリア」です。この川における水運は留学時代の研究テーマでもありました。ヘルメット姿で熱心に耳を傾けておられます。

 その後、陛下は日英の友好団体が主催する歓迎レセプションに出席。この会場に大阪出身の日本人女性が招かれていました。

招待されたプリーストマン玄子さん
「(Q.きょうはお着物で?)せっかくお呼びいただいたので。びっくりしました。ただのお好み焼き屋さんですけど」

 女性はロンドン市内でお好み焼き店「おかん」を経営するプリーストマン玄子さん。

お好み焼き店「おかん」 プリーストマン玄子さん
「お好み焼きという言葉がとにかく広がれば私は御の字ですので」

 たまたま日本から会いに来ていたお母さんも一緒です。

お好み焼き店「おかん」 プリーストマン玄子さん
「(Q.『おかん』のおかんということ?)『おかん』のおかんです」
母 八千子さん
「本当に光栄なこと。何でこの子が選ばれたか。もう涙が…感激してます」

■自ら輪へ…陛下“気さくな交流”

天皇陛下
「皆さんのご健康とご多幸をお祈りします。ありがとうございます」

 あいさつが終わると、自ら人の輪に入っていかれる陛下。集まった関係者と親しげに言葉を交わされています。それにしても、この距離感…。

 歓迎レセプション終了後。

お好み焼き店「おかん」 プリーストマン玄子さん
「(Q.いかがでしたか?)もう、すごかったです。1メートル前におられるなんて、ありえないことがきょうは起きました。足元から震える感じのもうドキドキして、何でこんなにドキドキするんだろうって。26年、ロンドンにいて良かったなと思いました」
「(Q.あしたもパレード?)はい、行きます」

■英王室と歩む“絆”のパレード

 一夜明けた25日、歓迎式典やパレードに臨まれる両陛下。馬車はバッキンガム宮殿に続く大通り「ザ・マル」を進みます。

 昭和天皇が戦後初めてイギリスを訪問された1971年の映像を見ると、エリザベス女王と昭和天皇を乗せた馬車が同じ場所を走っています。

 その後も交流が続く両国。4年後にはエリザベス女王が都内をパレード。チャールズ国王に至っては5回来日。ダイアナ元妃と一緒にパレードをしています。

天皇陛下
「両国の関係には困難な時期もありましたが、現在の日英両国は経済、文化、科学技術、教育など幅広い分野において緊密な協力関係を有しています」

■エリザベス女王 数々の“心遣い”

 上皇さまは、まだ日本への風当たりが強い戦後まもない1953年にイギリスをご訪問。エリザベス女王からイギリス王室が主催する競馬「ロイヤルアスコット」のロイヤルボックスに招待されたそうです。

 天皇陛下もイギリス留学中に2度参加。著書の中でその時の様子を語られています。

「テムズとともに」から
「女王陛下の競馬好きは有名であるが、おそばで拝見してその様はよく分かった。私は生まれて初めて馬券を買い、賭けてみたが見事に失敗した」

 天皇陛下は留学中にイギリス王室から受けたおもてなしについて、こう語られています。

天皇陛下
「英王室の皆様に家族の一員であるかのような心温まるおもてなしを頂いたことが懐かしく思い出されます」

 「家族の一員のようなおもてなし」。例えば、エリザベス女王が休暇を過ごすバルモラル城では女王の夫・フィリップ殿下の運転でドライブ。ここではチャールズ国王と釣りもされたそうです。

天皇陛下
「胴付きの長靴を履いて川の中に入り、近くで大きな魚が跳ねるのを見たのですが、2人とも収穫はありませんでした」

 公式行事に参加されたことも。イギリス王室といえば、バルコニーから国民の前に姿を見せるのが印象的です。

■「次世代も」王族と“長年の友情”

 イギリス留学中はヨーロッパの国々も訪れられています。冬にはヨーロッパの王室の方々とスキー。ノルウェーでは王室のメンバーに招かれ、フィヨルドの船旅。さらに鉄道にも一緒に乗り、窓から顔を出される姿もありました。著書の中では、こう語られています。

「テムズとともに」から
「私はヨーロッパの王族の方々からこのような温かいおもてなしを受けるたびに私の両親が長年かけて築き上げてきた友情によるものであることを常に認識し、その恩恵を受けている自分が幸せだと思ったし、このような交際を次の世代にも継続していく必要性を強く感じた」

■晩餐会 雅子さまの装いは?

 両陛下はこの後、バッキンガム宮殿での晩餐会に臨まれます。雅子さまは長時間のフライトなどで少し疲れが出ていて、きょうの公式行事に向けて体調を整えられているとのこと。

 結婚後、雅子さまが初めて出席された晩餐会は東京サミット。席はロシアのエリツィン元大統領とアメリカのクリントン元大統領の間。2人に挟まれ、初々しいお姿です。美智子さまはゴールドの装い。雅子さまは白とグリーンのドレスです。

 中東歴訪では、肌の露出を抑えた裾の長いドレスです。赤に、エキゾチックなグリーンのドレス。華やかなカラーが印象的です。着物で出席されたことも。

 オーストラリアで出席された船の上の晩餐会では淡いピンクのツーピース。ただ、ここは揺れる船の上。陛下が雅子さまを支えられる場面も。

 今回の晩餐会で雅子さまはどんな装いで出席され、また陛下はどんな言葉を語られるのでしょうか。

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