イスラエル軍の空爆の後、負傷者を運ぶパレスチナの人たち=パレスチナ自治区ガザ地区北部ガザ市で2024年6月23日、ロイター

 パレスチナ自治区ガザ地区での戦闘を巡り、イスラエルのネタニヤフ首相は23日、地元テレビのインタビューで「(イスラム組織)ハマスとの激しい戦闘は終わりに近づいている」と述べた。その上で、ガザでの激しい戦闘が終われば、レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラとの戦闘に、多くの部隊を配置できるとの考えを示した。

 ただネタニヤフ氏は、ハマスの支配が終わるまでは、ガザ地区での戦闘は終結しないとも述べた。停戦交渉では「恒久的な停戦の保証」を求めるハマスとの間での溝は大きく、戦闘終結の見通しは立っていない。

 イスラエル軍は23日もガザ地区への攻撃を継続。ロイター通信によると、ガザ市近郊で軍の空爆があり、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)が運営する専門学校の一部に直撃し、8人が死亡した。専門学校は支援物資の配布の拠点として使われていたという。

 一方、ヒズボラとイスラエルの戦闘もエスカレートしている。イスラエル軍は18日、ヒズボラに対する軍事作戦の計画を承認。20日にはレバノン南部を空爆し、ヒズボラ幹部1人を殺害した。これに対して、ヒズボラは23日、イスラエル北部に無人航空機(ドローン)攻撃を仕掛け、イスラエル軍の兵士1人が重傷を負った。

 AP通信は23日、親イラン武装組織関係者らの話として、イスラエルとヒズボラの戦闘が本格的な戦争に発展した場合、中東各地から親イラン戦闘員数千人がレバノンに向かう準備ができていると報じた。【エルサレム松岡大地】

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