ウェストミンスター寺院=英ロンドンで2022年9月18日、高島博之撮影
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 天皇、皇后両陛下は英国への公式訪問(22~29日)で、さまざまな場所に足を運び、人々と交流される。主な訪問先を紹介する(日付は現地時間)【山田奈緒、高島博之】

ジャパン・ハウス ロンドン(23日)

 日本の文化や政策などを発信する施設で、ロンドンで歴史的な建造物の多いハイストリート・ケンジントンに2018年6月に開館。同年9月の開館記念行事にはウィリアム皇太子(当時は王子)が出席した。レストランやホール、ギャラリー、和室などを備えている。

テムズバリアー(24日)

 ロンドン中心部から東約10キロのテムズ川(川幅約500メートル)に設置された世界最大級の可動式防潮堤。英環境庁が運営している。高潮の時に水門を閉鎖し、ロンドンを洪水被害から守る。1982年に完成し、84年にエリザベス女王が出席して開通式があった。

バッキンガム宮殿(25日)

 ロンドン中心部にある英王室の宮殿。ビクトリア女王(在位1837~1901年)以来、国王の公邸として使われている。晩さん会の開催など要人のもてなしの場でもある。ロンドンで最も人気の高い観光スポットで、衛兵交代の行進に多くの観光客が集まる。夏は宮殿内が一般公開される。

ウェストミンスター寺院(25日)

 960年に建設されたロンドン中心部にある英国国教会の教会。1066年以降、英国王の戴冠式が行われているほか、ウィリアム皇太子とキャサリン皇太子妃の結婚式、エリザベス女王の国葬なども行われた。17人の国王やニュートンらの墓があるほか、第一次世界大戦で戦死した身元不明兵士を顕彰する「無名戦士の墓」もある。

フランシス・クリック研究所(26日)

 DNAの二重らせん構造を発見した生物学者、フランシス・クリックの名前を冠した欧州最大規模の生物医学分野の研究所。ロンドン中心部にある。世界中から研究者が集まり、がんや感染症などの最先端の研究をしている。現所長は2001年にノーベル生理学・医学賞を受賞したポール・ナース博士。

王立音楽大学(26日)

 アルバート・エドワード皇太子(後の国王エドワード7世)が1883年に設立した。ロンドン中心部のサウスケンジントン地区にある。50カ国以上から900人以上の学生が在籍している名門音楽大学。付属博物館は歴史的価値のある楽器などを所蔵している。

V&A子ども博物館(27日)

 ロンドン東部のベスナル・グリーン地区に1872年に設立された。改修工事で吹き抜けの地上3階、地下1階の建物となり、2023年の再開館時はキャサリン皇太子妃が訪れた。約2000点の玩具や文学作品などを展示している。

ウィンザー城=2012年3月15日、石井朗生撮影
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ウィンザー城(27日)

 ロンドン郊外にある王室所有の城。昭和天皇や上皇さまが滞在したこともある。敷地内の西側にある聖ジョージ礼拝堂は王族用の礼拝堂で、エリザベス女王と夫のフィリップ殿下らの墓がある。

王立キュー植物園(27日)

 ロンドン南西部にある約132ヘクタールの広大な植物園。世界文化遺産に登録されている。約5万種の植物を栽培しており、世界の研究機関などと連携して植物学の研究を行う。日本庭園もある。皇室ともゆかりが深く、歴代天皇や皇族が記念植樹をしている。1971年に昭和天皇が植樹したスギは植樹の翌日に根本から切り倒されるなどしたが、植えなおされた。上皇さまも国賓として訪英した98年などに立ち寄っている。

オックスフォード大学(28日)

 オックスフォードにある私立大学で、ケンブリッジ大学と並ぶ英国の名門。寄宿制のカレッジ(学寮)が約40あり、指導教師(チューター)による個人指導が特徴。大学の日本事務所によると、最初の日本人学生は岩倉具視の息子で明治の官僚、岩倉具経。日本の企業や教育機関と多くの共同研究をしている。天皇陛下は1983~85年マートン・カレッジに、皇后雅子さまは外務省入省後の88~90年ベーリオール・カレッジにそれぞれ留学した。

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