ロシアメディアなどの質問に答えるプーチン露大統領=ハノイで2024年6月20日、ロイター

 ロシアのプーチン大統領は20日、韓国がウクライナへ兵器を供与すれば「非常に大きな過ちになるだろう」と警告し、対抗措置を取る考えを示した。ロイター通信などが報じた。ロシアと北朝鮮が包括的戦略パートナーシップ条約を締結したことを受け、韓国はロシアと敵対するウクライナへの武器支援を検討すると表明していた。

 報道によると、プーチン氏は訪問先のベトナムで記者団に答えた。韓国がウクライナに殺傷兵器を提供しないことを「願っている」とした上で、提供した場合は「適切な決断を下すことになるが、それは韓国の指導部が喜ぶものではないだろう」とけん制した。新条約は露朝の一方が武力侵攻を受けた場合、他方が軍事支援を行うことを規定しているが、「韓国が心配することは何もない。私の知る限り韓国は北朝鮮への侵略を計画していない」と述べた。

 韓国はこれまで、ウクライナに殺傷兵器の提供をしない立場を貫いてきた。一方で19日の露朝首脳会談に先立ち、会談の内容によっては「必要な対応措置をとる」と警告。張虎鎮(チャンホジン)国家安保室長は20日、ウクライナへの武器供与を再検討すると述べていた。

 韓国外務省の金烘均(キムホンギュン)第1次官は21日、ロシアのジノビエフ駐韓大使を呼び出し、北朝鮮との軍事協力をただちに中断するよう求めた。外務省によると、金氏は「北朝鮮の軍事力増強につながる、いかなる協力も国連安全保障理事会の決議違反だ」と指摘。韓露関係に影響を及ぼしかねないとして、ロシア側に「責任を持って行動すること」を求めたという。【ソウル日下部元美】

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