G7(主要7カ国首脳会合)は、まもなくイタリア南部プーリア州で開幕し、ウクライナのゼレンスキー大統領も2年連続で参加する。

イタリア・バーリから会合の焦点をFNNワシントン支局・千田淳一記者がお伝えする。

今回のG7では、ウクライナ支援やガザ情勢、中国などさまざまなテーマへの対応を議論する。

注目のウクライナを議論する会合では、ゼレンスキー大統領が対面出席し、制裁で凍結したロシアの資産の一部を利用してウクライナへの復興支援に充てることで初めて合意する見通し。

この数カ月は、アメリカの国内問題を背景にウクライナへの支援が遅れ、それに乗じてロシアが攻勢を強めてきた。

欧米による支援疲れも指摘される中で、今回の会合でG7はロシア包囲網を改めて強調し、難局打開につなげていきたい考え。

ガザ情勢では、バイデン大統領が明らかにした停戦と人質解放を求める新たな停戦案をG7として支持し、イスラエルとイスラム組織ハマスに合意を呼びかける見通し。

ただ協議は難航していて、関係者からは交渉が難航すればするほど「バイデン大統領の求心力の低下に拍車がかかるのではないか」と、懸念の声も聞かれている。

また、ハマス側には戦闘が長引いて民間人の犠牲が増えれば増えるほど有利に働くという計算があるとの見方もあり、停戦交渉は手詰まり感が否めず、新たな一手を見いだせない状況。

そしてG7には、他にも注目点がある。

全世界のカトリック教徒の精神的指導者でもあるローマ教皇が初めて参加し、生成AI(人工知能)の規制の在り方について語るという。

87歳のローマ教皇とAIというと、2023年の3月ごろから、教皇が白いダウンジャケットを着た画像がSNSで出回っていた。

これは、AIで作られたとみられている“ディープフェイク”。
ローマ教皇の洋服は決まっていて、靴だけは自由だが、基本的にブランド物は身に着けない。

ただ、ベネディクト前教皇は、少し高めな赤いローファーを履いていることが話題になった。

これ以降もローマ教皇を使用したディープフェイク画像は、他にも次々とアップされていて、AIについて教皇は「邪悪なものにもなる」と発言している。

実は、以前から「平和的な世界を築くためにAIを倫理的に使うように」とローマ教皇が呼びかけている。

アメリカの国防省ペンタゴンが燃えているディープフェイク画像が出回った日、テロが起こったと思った人がいて、実際に株価の暴落につながったとみられている。

ディープフェイクは実害を伴うものでもあるため、注意が必要となる。

G7で14日にローマ教皇も語る機会があるということで、何を発言するのかも注目される。

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