韓国軍合同参謀本部は9日、北朝鮮が8日深夜~9日午前10時、韓国側へごみ付きの大型風船約330個を飛ばしたことが確認されたと発表した。5月下旬以降、北朝鮮の風船による「攻撃」は3度目。韓国大統領府は9日、国家安全保障会議(NSC)常任委員会を開き、同日中に南北の軍事境界線地域に拡声機を設置し、約6年ぶりに宣伝放送を実施すると決定した。
韓国の宣伝放送は、南北の緊張緩和を背景に2018年5月に拡声機を撤去して以来となる。再開によって北朝鮮が反発を強める可能性がある。
宣伝放送ではこれまで、北朝鮮の人権弾圧の状況、韓国の市場経済や民主主義体制の優越性などに加え、K-POPや気象予報も伝えてきた。NSCは「北朝鮮の政権には耐えがたいはずだが、北朝鮮の軍や住民には光と希望の話を伝えるだろう」と強調した。
韓国では、脱北者団体が6日、北朝鮮の体制を批判するビラや、K-POPを収録したUSBメモリーなどを風船で北朝鮮側へ飛ばした。北朝鮮は今回、3度目の「ごみ風船」で報復に出た模様だ。韓国軍によると、これまでと同様、風船にはごみが入った袋がくくりつけられており、古紙やビニールなどが入っていた。
韓国では5月下旬~6月2日に北朝鮮から飛来したとみられる約1000個の風船が見つかった。風船が落下した際に乗用車などが破損する被害も出ている。【ソウル日下部元美】
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