vaalaa/Shutterstock
<ウクライナのFPV(一人称視点)ドローンがロシア軍の車列に突っ込み、爆発が起こる様子を捉えたとみられる動画を公表>
ウクライナ政府は、ウクライナ軍のFPV(一人称視点)ドローンが一晩でロシア軍の戦車3両をはじめとする複数の軍用車両を「破壊した」と発表。この中にはロシア軍が誇る主力戦車「T-90」1両も含まれているという。攻撃時の様子だとされる動画も公開されており、そこには移動中で警備が手薄になった車列に次々とドローンが突撃する様子が収められている。
■【動画】ドローンにとって「絶好の攻撃チャンス」...ロシア戦車など7台を次々と灰にした攻撃の一部始終
ウクライナ国防省は6月4日、ウクライナ軍第47機械化旅団のドローンパイロットがロシアの新型T-90戦車1両、T-72戦車2両とトラック4台、さらには装甲兵員輸送車2台を排除したと発表。自爆型ドローンが車列に突入し、爆発が起こる様子を捉えたとみられる動画をインターネット上で共有した。
第47機械化旅団は3日にソーシャルメディア上に投稿した別の声明の中で、同旅団のドローン専門部隊が攻撃を実行したと述べ、戦場の動画を共有した。本誌はこれらの動画の撮影時期や場所について独自に確認することができず、ロシア国防省にメールでコメントを求めたがこれまでに返答はない。
ウクライナとロシアはドローン戦で優位を目指す競争を繰り広げており、ウクライナ上空で主に使用されているのはFPVドローンだ。FPVドローンはウクライナの前線全域で偵察のほか標的の特定および攻撃に使われている。ロシア軍の戦車を標的にすることも多く、ウクライナ軍は戦場でドローン撮影した動画をインターネット上で頻繁に共有している。
T-90はロシア自慢の最新型戦車
少なくとも一部が(ウクライナ東部の)ドネツク州ポクロウシク近郊に配備されている第47機械化旅団は5月下旬、ドローン部隊がロシア軍のT-90戦車6両を破壊したと発表。さらにそのわずか数日後には、1機500ドルのドローンを使用して「数百万ドルの価値がある」とされるロシア軍の新型T-90戦車1両を破壊したと述べた。
ロシアはT-90戦車、中でも「プロリフ(突破)-3」と呼ばれるT-90M戦車を自賛してきた。ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は2023年6月、T-90Mは「世界最高の戦車」だと述べている。
ロシア国営メディアは2022年12月下旬、T-90Mが初めてウクライナに配備されたことを報じた。T-90は米国製のエイブラムス戦車と比較されることが多く、2023年9月にはウクライナ政府が、アメリカから供与されたエイブラムス戦車がウクライナに到着し始めたことを確認している。ウクライナ軍第47機械化旅団は、このエイブラムス戦車を運用している。
ポクロウシク東部で最も激しい戦闘が続く
ロシア国防省は4日、ロシア軍が(ウクライナ軍が防衛の重点を置いている)ポクロウシクの南部と東部で、第47機械化旅団を含むウクライナ軍の複数の旅団の戦闘員に対抗すべく「戦術的配置を改善」したと述べた。
ウクライナ軍は4日午後1時(現地時間)の最新の戦況報告の中で、ポクロウシク東部で最も激しい戦闘が繰り広げられており、複数の集落で戦闘が続いていると説明。ウクライナ軍はロシア軍による攻撃を11回撃退し、さらに14の攻撃が続いていると述べ、「状況は緊迫しているが対応できている」とつけ加えた。
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。