中国の民主化を求めた学生ら多数が犠牲となった「天安門事件」から今日で35年。北京の現場周辺や香港では厳戒態勢が敷かれています。

北京の天安門周辺は、けさから普段よりも厳しい警備態勢が敷かれています。

35年前のきょう、中国政府は民主化を求めた学生に対し軍を出動させ弾圧、死者は公式発表で319人とされていますが、実際は数千人との推計もあります。

中国政府はきのう、改めて事件を正当化しました。

中国外務省 毛寧 報道官
「1980年代末に発生した政治的風波(騒ぎ)について、中国政府は既に明確な結論を出している」

事件で当時学生だった子どもなどを亡くした遺族グループ「天安門の母」は、きょうまでに発表した声明で真相究明や謝罪、賠償を改めて求めた上で、「政府は沈黙を守り、様々な方法で遺族の日常生活を妨害し続けている」と非難しました。

記者
「香港は現在、通勤や通学の時間帯ですが、すでに警察官が警備に当たっています」

2020年まで、事件の犠牲者を追悼する集会が行われていた香港では、「国家安全維持法」や、今年施行された「国家安全条例」により、反政府的な言動への取り締まりを強化。先月には、SNS上で天安門事件に関連した書き込みを行った男女6人が扇動の疑いで逮捕されました。

追悼集会が行われていた公園では、親中派団体が主催する中国の物産展が5日まで行われる予定で、今年も集会の開催は封じ込められた形です。

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