アジア太平洋地域などの国防トップらが参加する「アジア安全保障会議」が、シンガポールで始まり、米中の国防相会談が1年半ぶりに行われた。

会談は、中国の董軍国防相がアメリカのオースティン国防長官の部屋に赴く形で、予定より長く1時間15分にわたり非公開で行われた。

アメリカ国防総省によると、オースティン国防長官は会談で、中国が台湾を包囲する形で軍事演習を行ったことを念頭に「挑発的な行為」と懸念を示したほか、中国とフィリピンで領有権を争う南シナ海については、国際法で保証されている公海の航行の自由を尊重することの重要性を強調したという。

董軍国防相「みなさんご関心を持っていただきありがとうございます。あとで私の同僚から状況を紹介させていただきます」

一方、中国国防省によると董国防相は、台湾問題について「中国の内政問題であり外部の勢力が関与する権利はない」と強調し、南シナ海については、アメリカがフィリピンに中距離弾道ミサイルを配備したことをあげ「地域の安全保障に大きな脅威」とけん制した。

そのうえで両国は偶発的な衝突を避けるため、軍同士の対話を継続することで一致した。

こうした中、ウクライナのゼレンスキー大統領が6月1日にシンガポール入りし、「アジア安全保障会議」最終日の2日には基調講演が予定されていることがわかった。

現地でゼレンスキー大統領は、オースティン国防長官との会談を予定しているほか、日本や中国との協議にも意欲を示しているという。

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