北朝鮮が27日夜に発射し、直後に爆発した飛翔(ひしょう)体。このエンジンを巡り、ロシア製の可能性が排除できないとする見方を韓国メディアが伝えています。

■北朝鮮が失敗認める

 “爆発の背景”に、ロシアの影が見えてきました。

 赤みを帯びた白い光がどんどんと上昇していき、爆発しているように見えます。

 この約1時間半後、北朝鮮メディアが飛翔体は衛星の打ち上げとしたうえで「空中爆発した」と失敗を認めたのです。その原因については「新開発の液体酸素と燃料エンジンの動作信頼性」としました。

■爆発した飛翔体にロシアの影?

 韓国軍関係者は今回の新開発の技術について「断定できない」としながらもロシアの技術協力を示唆したのです。

韓国軍関係者
「去年、金正恩総書記がロシアの宇宙基地を訪問し、そこから技術的協力をしていると推測できるだろう」

 去年9月、金正恩総書記はロシアを訪れ、宇宙基地でプーチン大統領と会談しました。ウクライナ侵攻を巡る武器支援の見返りとして偵察衛星やロケット関連の技術協力を受けたとみられます。

韓国メディア
「去年9月にロシアのプーチン大統領と金正恩総書記が会談した後、ロシアの技術者たちが大挙して北朝鮮に入ったと伝えられています」

 さらに連合ニュースによりますと、韓国軍関係者はロシアからエンジンの完成品を提供された可能性を排除しなかったといいます。

■20億ドルが無駄 収容所送りも?

 北朝鮮が衛星打ち上げの失敗をすぐに認めたことについて、専門家はこう指摘します。

コリア・レポート 辺真一編集長
「去年も2回失敗したが、その度に明らかにしている。(父)金正日総書記の時代は完全に秘密主義。北朝鮮にとって都合の悪いこと、犯罪を含めたそれを一切、公にしない。完全に隔離された、統制された体制だったが、金正恩政権になって、かなりオープンになった。ある意味では国際社会に北朝鮮も認めてもらいたい」

 また、打ち上げ失敗について穏やかではない指摘もあります。

コリア・レポート 辺真一編集長
「昨年(衛星の打ち上げを)3回やって2回失敗した。1基発射するごとに6から8億ドルかかると言われている。(今回を含め)3回失敗しているから、20億ドル(約3000億円)前後、無駄にしてしまった。誰か一人、スケープゴートで首が飛ぶ。下手すれば収容所送りにされる幹部がいてもおかしくない」

(C) CABLE NEWS NETWORK 2024

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